SL 2.2 — Functions, domain, range and the inverse function(関数・定義域・値域・逆関数)

ノートWhat you should be able to do
  • function(関数)とは何かを説明し、関数でないものと見分けられる。
  • \(f(x)\)、\(v(t)\)、\(C(n)\) のような function notation(関数の書き方)を読み書きできる。
  • domain(定義域)と range(値域)を、式からもグラフからも求められる。
  • 関数を、現実の場面のモデルとして使える。
  • inverse function(逆関数)\(f^{-1}\) が「\(f\) をもとに戻すもの」だと説明できる。
  • \(y = f^{-1}(x)\) のグラフが、\(y = f(x)\) のグラフを \(y = x\) について折り返したものだと分かる。

The idea

1. What a function is(関数とは、入力 \(1\) つに出力 \(1\) つ)

function(関数)とは、input(入力)\(1\) つに対して、output(出力)がちょうど \(1\) つ決まる対応のことです。

「ちょうど \(1\) つ」がポイントです。\(2\) つ出てきてもいけませんし、\(1\) つも出てこなくてもいけません。

表 1: 「ちょうど \(1\) つ」を確かめる
対応 関数か 理由
\(x \mapsto 3x+1\) 関数 \(x\) を決めれば、値が \(1\) つ決まる
\(x \mapsto\)「\(2\) 乗すると \(x\) になる数」 関数ではない \(x = 9\) で \(3\) と \(-3\) の \(2\) つ出る
\(x \mapsto \dfrac{1}{x}\) \(x \neq 0\) なら関数 \(x = 0\) では値が出ない

表 1 の \(3\) 行目のように、\(1\) つも出てこない \(x\) があるときは、そこを domain から外します(第 3 節)。

関数かどうかは、グラフでは、縦線を引いて確かめられます。 グラフに縦線(\(x =\) 定数)を引いたとき、\(2\) か所以上で交わるところがあれば、関数ではありません。\(1\) つの \(x\) に \(2\) つの \(y\) があるからです。これを vertical line test(縦線のテスト)と言います。

図 1: 縦線は、関数のグラフとは \(1\) か所で、この円とは \(2\) か所で交わります。

図 1 の左は関数です。どこに縦線を引いても、交わるのは \(1\) か所だけです。右の円 \(x^{2} + y^{2} = 1\) は関数ではありません。 \(x = 0\) のとき \(y = 1\) と \(y = -1\) の \(2\) つが出るからです。

2. Function notation(関数の書き方)

関数は、\(f(x)\)、\(v(t)\)、\(C(n)\) のような記号で書きます。これを function notation(関数の書き方)といいます。

\(f(x)\) は「\(f\) という関数に \(x\) を入れたときの出力」という意味です。文字の選び方は 表 2 のとおり、場面に合わせます。

警告\(f(x)\) は「\(f\) かける \(x\)」ではありません

\(f(3)\) と書いたら、\(f \times 3\) ではなく、\(x\) のところに \(3\) を入れた値です。

\(f(x) = 4x - 7\) なら、\(f(3) = 4(3) - 7 = 5\) です。

文字は \(f\) と \(x\) でなくてもかまいません。 場面に合わせて選びます。

表 2: 中の文字は、場面に合わせて選ぶ
書き方 読み方 場面
\(f(x)\) \(x\) の関数 \(f\) 一般の関数
\(v(t)\) 時刻 \(t\) の関数 \(v\) 速さが時刻で決まるとき
\(C(n)\) 個数 \(n\) の関数 \(C\) 費用が個数で決まるとき

3. Domain(定義域)

domain(定義域)とは、入力として使ってよい \(x\) 全体のことです。

domain の決まり方は \(2\) 通りあります。

(i) 問題文が指定する。 「for \(x \ge 0\)」のように書いてあれば、それが domain です。

(ii) 指定がなければ、式が意味をもつ最大の範囲。

指定がないときに domain を狭めることが多いのは、次の \(2\) つです。

表 3: domain を狭めるもの
見るところ 条件 例
分母 \(0\) にならないこと \(\dfrac{1}{x-3}\) なら \(x \neq 3\)
根号の中 \(0\) 以上であること \(\sqrt{2-x}\) なら \(2 - x \ge 0\)、つまり \(x \le 2\)

たとえば \(f(x) = \sqrt{2-x}\) の domain は \(x \le 2\) です。この関数の range は、次の節で求めます。

4. Range(値域)

range(値域)とは、出力として実際に出てくる値全体のことです。

「\(y\) に何を入れてよいか」ではありません。 「\(x\) を domain の中で動かしたとき、\(f(x)\) がどこまで届くか」です。

\(f(x) = \sqrt{2-x}\) で見ます。

  • 根号の値は負になりません。だから \(f(x) \ge 0\) です。
  • \(x\) を小さくすれば \(2 - x\) はいくらでも大きくなるので、\(f(x)\) はいくらでも大きくなれます。
  • \(x = 2\) のとき \(f(2) = 0\) なので、\(0\) も実際に出ます。

ですから range は \(f(x) \ge 0\) です。

警告\(\ge 0\) と \(> 0\) を分けてください

\(0\) が実際に出るかどうかを確かめます。\(f(x) = \sqrt{2-x}\) では \(x = 2\) で \(0\) が出るので \(f(x) \ge 0\) です。

もし domain が \(x < 2\) と指定されていたら、\(0\) は出ないので range は \(f(x) > 0\) になります。domain を変えると、range も変わることがあります。 ただし、変わらないこともあります(\(f(x) = x^{2}+1\) は、domain が実数全体でも \(x \ge 0\) でも range は \(f(x) \ge 1\) のままです)。range は、そのつど domain から確かめ直してください。

例題 1 The function \(f\) is defined by \(f(x) = \sqrt{3x - 6}\).

(a) Find the domain of \(f\).

(b) Find the range of \(f\).

(c) Find \(f(5)\).

(d) Find the value of \(x\) for which \(f(x) = 6\).

(a) 根号の中が \(0\) 以上でなければなりません(表 3)。

\[ 3x - 6 \ge 0 \ \Rightarrow \ 3x \ge 6 \ \Rightarrow \ x \ge 2 \]

(b) 根号の値は負になりません。\(x\) を大きくすれば \(3x-6\) はいくらでも大きくなり、\(x = 2\) では \(0\) が出ます(第 4 節)。

\[ f(x) \ge 0 \]

(c) \(x\) に \(5\) を入れます。

\[ f(5) = \sqrt{3(5) - 6} = \sqrt{9} = 3 \]

(d) 両辺を \(2\) 乗します。

\[ 3x - 6 = 36 \ \Rightarrow \ 3x = 42 \ \Rightarrow \ x = 14 \]

検算((a) について)。 domain の境目の外側で、実際に値が出ないことを見ます。 \(x = 1\) とすると \(3(1) - 6 = -3\) で、\(\sqrt{-3}\) は実数の値をもちません ✓ 境目の \(x = 2\) では \(\sqrt{0} = 0\) が出ます ✓

検算((d) について)。 出した \(x\) を、もとの式に入れ直します。

\[ f(14) = \sqrt{3(14) - 6} = \sqrt{36} = 6 \]

\(6\) になりました ✓ \(2\) 乗した式ではなく、根号のある元の式に戻すのがポイントです。

(d) で \(2\) 乗を忘れて \(3x - 6 = 6\)、\(x = 4\) としていたら、\(f(4) = \sqrt{6}\) となり、\(6\) とは合いません。

ノート解答例(答案用紙に書くこと)

(a) \(3x - 6 \ge 0\) \[x \ge 2\]

(b) \[f(x) \ge 0\]

(c) \[f(5) = \sqrt{9} = 3\]

(d) \(3x - 6 = 36\) \[x = 14\]

5. Domain and range from a graph(グラフから定義域と値域を読む)

グラフがあれば、domain と range は、グラフを軸に落とした影として読めます。

図 2: \(f(x) = \sqrt{2-x}\) の定義域と値域を、軸に落とした影として読みます。

図 2 が、その読み方です。

表 4: 影として読む
求めるもの 見るところ 書き方
domain グラフを \(x\) 軸に落とした影 \(x \le 2\) のように、\(x\) で書く
range グラフを \(y\) 軸に落とした影 \(f(x) \ge 0\) のように、\(f(x)\) か \(y\) で書く
警告domain は \(x\)、range は \(f(x)\) で書きます

range の答えを「\(x \ge 0\)」と書いてしまう誤りが、とてもよく起こります。range は出力の話なので、\(f(x)\) か \(y\) で書いてください。

書き終えたら、自分の答えが入力の話か出力の話かを、もう一度読み返す習慣をつけてください。

6. Mathematical models(関数は、現実の場面のモデルになる)

関数は、現実の場面を表す mathematical model(数理モデル)としても使います。

ポスターを \(n\) 枚刷る費用が \(C(n) = 45 + 3n\) ドルだとします。\(C(20) = 45 + 60 = 105\) ドルです。

警告場面の domain は、式の domain より狭いことがあります

\(45 + 3n\) という式だけを見れば、\(n\) にはどんな実数でも入れられます。しかし枚数としては、\(n\) は \(0\) 以上の整数でなければなりません。

式として定義できる範囲と、場面として意味のある範囲は別ものです。文章題では、場面のほうを答えます。

例題 2 A tank is being emptied. The volume of water in the tank, in litres, after \(t\) minutes is \(V(t) = 120 - 8t\).

(a) Find \(V(5)\).

(b) Find the time at which the tank is empty.

(c) State the domain of \(V\) in this context.

(d) A student calculates \(V(20) = -40\) and says that the tank contains \(-40\) litres after \(20\) minutes. Comment on this statement.

(a) \(t\) に \(5\) を入れます。

\[ V(5) = 120 - 8(5) = 120 - 40 = 80 \]

\(5\) 分後に \(80\) リットルです。

(b) 空になるのは \(V(t) = 0\) のときです。

\[ 120 - 8t = 0 \ \Rightarrow \ 8t = 120 \ \Rightarrow \ t = 15 \]

\(15\) 分後です。

(c) 時刻は負になりませんし、空になったあとはこの式が使えません(第 6 節)。

\[ 0 \le t \le 15 \]

(d) Comment on なので、英語で判断とその理由を書きます。

試験ではこう書く

The arithmetic is correct, but the conclusion is not.

The expression \(120 - 8t\) only models the tank while there is still water in it, and from part (b) the tank is empty at \(t = 15\).

The value \(t = 20\) lies outside the domain \(0 \le t \le 15\), so \(V(20)\) has no meaning in this context.

A volume cannot be negative.

The model simply stops applying at \(t = 15\); after that the tank stays empty, so the volume is \(0\) litres, not \(-40\) litres.

(計算そのものは正しいが、結論は正しくない。\(120-8t\) という式は、タンクに水が残っているあいだだけをモデルにしている。(b) より \(t = 15\) で空になる。\(t = 20\) は定義域 \(0 \le t \le 15\) の外なので、\(V(20)\) はこの場面では意味をもたない。体積は負にならない。このモデルは \(t = 15\) で役目を終える。それより後は現実にはタンクは空のままで、量は \(0\) リットルであって \(-40\) リットルではない、という意味です。)

検算((a) について)。 別の見方でも出します。 \(1\) 分で \(8\) リットル減るので、\(5\) 分では \(40\) リットル減ります。\(120 - 40 = 80\) ✓

検算((b) について)。 出した \(t\) を、もとの式に入れ直します。\(V(15) = 120 - 120 = 0\) ✓

検算((c) について)。 (b) と同じ計算を繰り返しても検算にはなりません。範囲の外側で、場面として意味が壊れることを見ます。 \(t = -1\) は水を抜き始める前なので、この式では扱えません ✓ \(t = 20\) とすると \(V(20) = 120 - 160 = -40\) となり、水の量が負になってしまいます ✓ 意味をもつのは \(0 \le t \le 15\) だけです。

ノート解答例(答案用紙に書くこと)

(a) \[V(5) = 120 - 40 = 80 \ \text{litres}\]

(b) \(120 - 8t = 0\) \[t = 15 \ \text{minutes}\]

(c) \[0 \le t \le 15\]

(d) The arithmetic is correct but \(t = 20\) is outside the domain \(0 \le t \le 15\), so \(V(20)\) has no meaning here. The tank is empty from \(t = 15\) onwards.

7. Inverse functions(逆関数は、もとに戻す関数)

関数の働きを、逆にたどる関数を見ます。図は、\(y = f^{-1}(x)\) が \(y = f(x)\) を直線 \(y = x\) で折り返したものであることを示しています。

図 3: \(y = f^{-1}(x)\) は、\(y = f(x)\) を直線 \(y = x\) で折り返したグラフです。

inverse function(逆関数)\(f^{-1}\) は、\(f\) がしたことをもとに戻す関数です。

\(f(x) = 4x - 7\) で見ます。\(f(3) = 5\) でした。逆に、\(5\) から \(3\) に戻すのが \(f^{-1}\) です。(この \(f\) は、ちがう \(x\) からは必ずちがう値が出るので、戻し先が \(1\) つに決まります。この条件は、このあと one-to-one として整理します。)

\[ f(3) = 5 \qquad \Longleftrightarrow \qquad f^{-1}(5) = 3 \tag{1}\]

これを言いかえると、「\(f(x) = 10\) を解く」ことと「\(f^{-1}(10)\) を求める」ことは、同じ作業です。\(f^{-1}\) の式を作らなくても、\(f^{-1}\) の値は求められます(\(f^{-1}(10)\) が欲しければ、\(f(x) = 10\) を解けばよいからです)。

逆関数がいつでもあるとは限りません。 逆関数があるのは、関数が one-to-one のときだけです。

one-to-one(\(1\) 対 \(1\))とは、ちがう入力からは、必ずちがう出力が出るということです。\(f(x) = x^{2}\)(domain が実数全体)は \(f(3) = f(-3) = 9\) なので one-to-one ではなく、\(f^{-1}(9)\) が \(2\) 通りになってしまいます。これでは関数になりません。

one-to-one かどうかは、グラフでは、横線を引いて確かめられます。 グラフに横線(\(y =\) 定数)を引いたとき、\(2\) か所以上で交わるところがあれば、one-to-one ではありません。これを horizontal line test(横線のテスト)と言います。

図 4: 横線は、\(y = 4x-7\) とは \(1\) か所で、\(y = x^{2}\) とは \(2\) か所で交わります。

図 4 の左 \(y = 4x-7\) は、どこに横線を引いても交わるのは \(1\) か所だけなので one-to-one です。右の \(y = x^{2}\) は \(2\) か所で交わるので、one-to-one ではありません。

vertical line test(第 1 節)とは、見るものがちがいます。 縦線は「関数かどうか」、横線は「one-to-one かどうか」です。

domain と range は、そっくり入れかわります。 \(f^{-1}\) の domain は \(f\) の range であり、\(f^{-1}\) の range は \(f\) の domain です。

警告\(f^{-1}(x)\) は \(\dfrac{1}{f(x)}\) ではありません

右上の \(-1\) は、指数ではなく「逆」の印です。

\(f(x) = 4x-7\) のとき、\(f^{-1}(5) = 3\) ですが、\(\dfrac{1}{f(5)} = \dfrac{1}{13}\) です。まったく別のものです。

グラフでは、\(y = f^{-1}(x)\) は \(y = f(x)\) を \(y = x\) について折り返したものになります(図 3)。

TI-Nspire の Calculator 画面で Define f1(x)= に続けて \(\sqrt{3x-6}\) と入れて関数を定義しておくと、f1(5) と打つだけで値が出ます。根号は ctrl + x² のテンプレートで、見た目のまま入ります。文章題で同じ関数を何度も使うときに楽です。

Graphs 画面にそのまま f1(x) を入れれば、グラフから range の見当も付けられます。ただし、画面に見えている範囲がすべてではありません。 端の様子は、式に戻って確かめてください。

Paper 1 では使えません。 このページの例題と演習は、すべて手で解ける形にしてあります。

例題 3 The function \(f\) is defined by \(f(x) = 4x - 7\).

(a) Find \(f(3)\).

(b) Write down \(f^{-1}(5)\).

(c) Find the value of \(x\) for which \(f(x) = 21\).

(d) Hence write down \(f^{-1}(21)\).

(a) \(x\) に \(3\) を入れます。

\[ f(3) = 4(3) - 7 = 12 - 7 = 5 \]

(b) (a) で \(f(3) = 5\) が出ています。\(f^{-1}\) はこれをもとに戻すのですから(式 1)、

\[ f^{-1}(5) = 3 \]

(c) 方程式を解きます。

\[ 4x - 7 = 21 \ \Rightarrow \ 4x = 28 \ \Rightarrow \ x = 7 \]

(d) Hence なので、(c) の結果をそのまま使います。\(f(7) = 21\) が分かったのですから、

\[ f^{-1}(21) = 7 \]

検算((b) について)。 \(f^{-1}\) の値を、\(f\) に入れ直します。 \(f(3) = 4(3) - 7 = 5\) ✓ 逆関数の答えは、もとの関数に入れて確かめられます。 ただしこれは (a) を計算し直しているだけなので、見つけられるのは (a) の計算ちがいです。

検算((c) と (d) について)。 (c) の答えを、もとの式に入れ直します。\(4(7) - 7 = 28 - 7 = 21\) ✓ (d) は (c) と同じ事実を左右から見たものなので、(d) だけを別に確かめることはできません。 第 7 節で見た「\(f(x) = 10\) を解くことと \(f^{-1}(10)\) を求めることは同じ」が、ここに現れています。

別の角度から、大きさで見当を付けます。 \(f\) は \(x\) が増えると増えるので、入れる値が大きければ戻ってくる値も大きいはずです。\(21 > 5\) に対して \(f^{-1}(21) = 7 > 3 = f^{-1}(5)\) ✓

\(f^{-1}(5)\) を \(\dfrac{1}{f(5)} = \dfrac{1}{13}\) としていたら、意味が違います。\(-1\) は指数ではありません(第 7 節)。

ノート解答例(答案用紙に書くこと)

(a) \[f(3) = 12 - 7 = 5\]

(b) \[f^{-1}(5) = 3\]

(c) \(4x - 7 = 21\) \[x = 7\]

(d) \[f^{-1}(21) = 7\]

例題 4 The function \(f\) is defined by \(f(x) = x^{2} + 1\), with domain \(x \in \mathbb{R}\).

(a) Find \(f(3)\) and \(f(-3)\).

(b) Explain why \(f\) does not have an inverse function.

The domain of \(f\) is now restricted to \(x \ge 0\).

(c) Find the range of \(f\).

(d) Hence write down \(f^{-1}(10)\).

(a) それぞれ入れます。

\[ f(3) = 9 + 1 = 10, \qquad f(-3) = 9 + 1 = 10 \]

(b) Explain why なので、英語で理由を書きます。(a) の値をそのまま根拠に使えます。

試験ではこう書く

From part (a), \(f(3) = 10\) and \(f(-3) = 10\), so two different inputs give the same output and \(f\) is not one-to-one.

An inverse function would have to send \(10\) back to a single input, but both \(3\) and \(-3\) would have to be that input.

Since an inverse function must give exactly one output for each input, no inverse function exists.

((a) より \(f(3) = 10\)、\(f(-3) = 10\) であり、ちがう \(2\) つの入力から同じ出力が出るので、\(f\) は \(1\) 対 \(1\) ではない。逆関数があるとすれば、\(10\) を \(1\) つの入力に戻さなければならないが、\(3\) と \(-3\) の両方がその入力になってしまう。逆関数も、入力 \(1\) つに出力 \(1\) つでなければならないので、逆関数は存在しない、という意味です。)

(c) \(x^{2}\) は負になりません。\(x = 0\) は domain の中にあり、そのとき \(x^{2} = 0\) が出ます。ですから

\[ f(x) \ge 1 \]

(d) Hence なので、(c) で調べた制限後の \(f\) で考えます。\(x \ge 0\) に限れば、\(x\) が大きくなるほど \(x^{2}+1\) も大きくなるので、ちがう \(2\) つの入力が同じ値になることはもうありません。制限後の \(f\) は one-to-one で、逆関数をもちます。また \(10 \ge 1\) なので、\(10\) は (c) の range の中にあり、\(f^{-1}(10)\) の値が確かに定まります。(a) より \(f(3) = 10\) で、\(3\) は \(x \ge 0\) の中にありますから

\[ f^{-1}(10) = 3 \]

警告domain を狭めても、range は変わらないことがあります

この \(f\) は、domain が実数全体のときも range は \(f(x) \ge 1\) でした。\(x \ge 0\) に狭めても range は同じです。狭めた目的は range を変えることではなく、one-to-one にして逆関数をもたせることです。

検算((c) について)。 境目の値が実際に出るかを見ます。 \(x = 0\) で \(f(0) = 1\) ✓ また、\(1\) より小さい値、たとえば \(f(x) = 0\) が出るとすると \(x^{2} = -1\) となり、実数の \(x\) はありません ✓

検算((d) について)。 \(f^{-1}\) の値を \(f\) に入れ直します。\(f(3) = 10\) ✓ \(-3\) ではいけません。 制限した domain \(x \ge 0\) に入っていないからです。

(b) を「グラフが放物線だから」だけで済ませていたら、理由になっていません。ちがう入力から同じ出力が出る具体例を挙げるのがポイントです。

ノート解答例(答案用紙に書くこと)

(a) \[f(3) = 10, \qquad f(-3) = 10\]

(b) \(f(3) = f(-3) = 10\), so \(f\) is not one-to-one and \(10\) cannot be sent back to a single input.

(c) \[f(x) \ge 1\]

(d) \[f^{-1}(10) = 3\]

Why it works

なぜ、\(y = f^{-1}(x)\) のグラフは \(y = x\) について対称になるのでしょうか。

\(f(a) = b\) だとします。逆関数は、これをもとに戻すのですから \(f^{-1}(b) = a\) です(式 1)。

ここで、グラフの上の点として見ます。

  • \(f(a) = b\) は、点 \((a, b)\) が \(y = f(x)\) のグラフの上にある、ということです。
  • \(f^{-1}(b) = a\) は、点 \((b, a)\) が \(y = f^{-1}(x)\) のグラフの上にある、ということです。

つまり、座標を入れかえた点になります。 あとは、\((a,b)\) と \((b,a)\) が \(y = x\) について対称であることを見ればよいわけです。

\(a = b\) のときは、点 \((a,b)\) 自身が \(y = x\) の上にあり、折り返しても動きません。ですから、以下は \(a \neq b\) の場合を見ます。

このとき、\(2\) 点を結ぶ線分の gradient(傾き)は

\[ \frac{a - b}{b - a} = -1 \]

です。\(y = x\) の傾きは \(1\) で、\(1 \times (-1) = -1\) ですから、この線分は \(y = x\) と垂直です(SL 2.1 の平行と垂直の条件です)。

また、\(2\) 点の中点は

\[ \left( \frac{a+b}{2}, \ \frac{b+a}{2} \right) \]

で、\(x\) 座標と \(y\) 座標が等しいので、\(y = x\) の上にあります。

垂直に交わり、中点が \(y = x\) の上にある。 これが「\(y = x\) について対称」ということです。

なぜ one-to-one でないと逆関数がないのでしょうか。 \(f(3) = f(-3) = 9\) のように、ちがう入力から同じ出力が出てしまうと、\(f^{-1}\) に \(9\) を入れたときの出力が \(3\) と \(-3\) の \(2\) つになってしまいます。入力 \(1\) つに出力 \(1\) つという第 1 節の条件を満たさないので、\(f^{-1}\) は関数になれないのです。

Common errors

警告\(f(x)\) を「\(f\) かける \(x\)」と読む

\(f(3)\) は \(f \times 3\) ではなく、\(x\) に \(3\) を入れた値です(第 2 節)。

\(f(a+b)\) も \(f(a) + f(b)\) ではありません。かっこの中を、まるごと \(x\) の場所に入れます。

警告range の答えを \(x\) で書く

domain は \(x\) で、range は \(f(x)\) か \(y\) で書きます(表 4)。

答えを書き終えたら、それが入力の話か出力の話かを読み返してください。

警告domain の条件を見落とす

見るところは、ふつう 分母と根号の中の \(2\) つです(表 3)。

\(\dfrac{1}{\sqrt{x+2}}\) のように両方あるときは、\(x + 2 \ge 0\) だけでは足りません。分母が \(0\) になってもいけないので \(x > -2\) です。

警告\(f^{-1}(x)\) と \(\dfrac{1}{f(x)}\) を混同する

右上の \(-1\) は指数ではありません(第 7 節)。

迷ったら、\(f^{-1}\) は「もとに戻す」という言葉に置きかえて読んでください。

警告range を、実際に出るか確かめずに書く

「負にならないから \(f(x) \ge 0\)」と書く前に、\(0\) が実際に出るかを確かめてください(第 4 節)。

\(x\) が動ける範囲は domain で決まっています。domain を見ずに range は書けません。 domain が変われば range も変わることがあります(変わらないこともあります)。

警告文章題で、場面の制限を入れ忘れる

式としては何でも入れられても、枚数・人数は \(0\) 以上の整数、時間は負にならない、といった制限があります(第 6 節)。

in this context と書かれていたら、場面のほうの答えを求められています。

Exercises

1 The function \(f\) is defined by \(f(x) = 5x - 2\).

(a) Find \(f(4)\).

(b) Find the value of \(x\) for which \(f(x) = 13\).

(a) \[f(4) = 20 - 2 = 18\]

(b) \(5x - 2 = 13\) \[x = 3\]

(a) は代入、(b) は方程式です。同じ式を、左から読むか右から読むかの違いです(第 7 節)。

検算((b) について)。 出した \(x\) を、もとの式に入れ直します。\(5(3) - 2 = 13\) ✓

大きさの見当も付きます。 \(f(4) = 18\) で、\(13\) はそれより小さい。\(f\) は \(x\) が増えると増えるので、答えは \(4\) より小さいはずです。\(3 < 4\) ✓

2 Find the domain of the function \(g(x) = \dfrac{1}{x+4}\).

The denominator must not be zero: \(x + 4 \neq 0\)

\[x \neq -4\]

分母が \(0\) になる \(x\) だけを外します(表 3)。指定がないので、それ以外はすべて入ります。

検算。 外した値のすぐ両側で、値が出ることを見ます。\(x = -3\) なら \(g(-3) = \dfrac{1}{1} = 1\) ✓ \(x = -5\) なら \(g(-5) = \dfrac{1}{-1} = -1\) ✓ \(x = -4\) だけが \(\dfrac{1}{0}\) になり、値をもちません ✓

「\(x > -4\)」と書いていたら、\(-4\) より小さい値まで外してしまっています。外すのは \(1\) 点だけです。

3 Find the domain of the function \(h(x) = \sqrt{2x + 6}\).

\[2x + 6 \ge 0\]

\[x \ge -3\]

根号の中が \(0\) 以上、という条件です。\(2x \ge -6\) の両辺を \(2\) で割ります。割るのが正の数なので、ここでは不等号の向きは変わりません(負の数で割るときは変わります。演習 \(10\) を見てください)。

検算。 境目の外側で、値が出ないことを見ます。\(x = -4\) なら \(2(-4) + 6 = -2\) で、\(\sqrt{-2}\) は実数の値をもちません ✓ 境目の \(x = -3\) では \(\sqrt{0} = 0\) が出ます ✓

符号の見当も付きます。 \(2x + 6\) は \(x\) が増えると増えるので、条件を満たすのは「ある値以上」の側です ✓

4 The function \(f\) is defined by \(f(x) = x^{2} - 3\), with domain \(x \ge 0\). Find the range of \(f\).

For \(x \ge 0\), \(x^{2} \ge 0\), and \(x^{2} = 0\) when \(x = 0\).

\[f(x) \ge -3\]

\(x^{2}\) の最小は \(0\) で、そこから \(3\) を引きます(第 4 節)。

検算。 境目が実際に出るかを見ます。 \(x = 0\) で \(f(0) = -3\) ✓ また \(f(x) = -4\) になるとすると \(x^{2} = -1\) で、実数の \(x\) はありません ✓

答えを「\(x \ge -3\)」と書いていたら、文字が違います。range は \(f(x)\) で書きます(表 4)。

5 The function \(f\) is defined by \(f(x) = 2x + 9\). Find \(f^{-1}(15)\).

\[2x + 9 = 15\]

\[f^{-1}(15) = 3\]

\(f^{-1}(15)\) を求めることは、\(f(x) = 15\) を解くことです(式 1)。\(f^{-1}\) の式を作る必要はありません。

検算。 出した値を \(f\) に入れ直します。\(f(3) = 6 + 9 = 15\) ✓

\(\dfrac{1}{f(15)} = \dfrac{1}{39}\) としていたら、\(-1\) を指数として読んでいます(第 7 節)。

6 The cost, in dollars, of hiring a hall for \(n\) hours is \(C(n) = 60 + 5n\).

(a) Find \(C(12)\).

(b) Find the number of hours for which the cost is \(\$210\).

(a) \[C(12) = 60 + 60 = 120\]

(b) \(60 + 5n = 210\) \[n = 30\]

(a) は代入、(b) は方程式です(第 6 節)。

検算((b) について)。 出した値を、もとの式に入れ直します。\(C(30) = 60 + 150 = 210\) ✓

別の道でも出します。 \(60\) ドルは時間によらずかかる分なので、時間で決まるのは \(210 - 60 = 150\) ドルです。\(1\) 時間あたり \(5\) ドルですから \(150 \div 5 = 30\) 時間 ✓

\(12\) 時間で \(120\) ドルだったから、\(210\) ドルはその \(1.75\) 倍で \(21\) 時間、とはなりません。 \(60\) ドルの固定分があるので、費用と時間は比例していません。

7 The function \(f\) is defined by \(f(x) = \sqrt{x - 1}\). Find the domain and the range of \(f\).

Domain: \(x - 1 \ge 0\) \[x \ge 1\]

Range: \[f(x) \ge 0\]

domain は根号の中の条件から、range は根号の値の性質からです(第 3 節、第 4 節)。

検算(domain について)。 \(x = 0\) とすると \(\sqrt{-1}\) で、実数の値をもちません ✓ \(x = 1\) では \(\sqrt{0} = 0\) が出ます ✓

検算(range について)。 \(0\) が実際に出るかを見ます。\(x = 1\) で \(f(1) = 0\) ✓ また、大きい値も出ます。\(f(5) = \sqrt{4} = 2\)、\(f(10) = 3\) ✓

domain と range で、文字を書き分けてください。 片方は \(x\)、もう片方は \(f(x)\) です。

8 The function \(f\) has an inverse function, and \(f(2) = 7\).

(a) Write down \(f^{-1}(7)\).

(b) Write down the coordinates of a point on the graph of \(y = f^{-1}(x)\).

(a) \[f^{-1}(7) = 2\]

(b) \[(7, \ 2)\]

(a) は 式 1 そのままです。

(b) \(f^{-1}(7) = 2\) という式が、そのまま「点 \((7,2)\) が \(y = f^{-1}(x)\) のグラフの上にある」ことを意味します。

検算。 座標が入れかわっているかを見ます。 \(f(2) = 7\) から、点 \((2,7)\) は \(y = f(x)\) のグラフの上にあります。\(y = x\) について折り返すと \((7,2)\) になります(図 3)✓

\((2,7)\) と答えていたら、折り返す前の点です。どちらのグラフの上の点を聞かれているかを読み返してください。

9 The function \(f\) is defined by \(f(x) = (x-3)^{2}\), with domain \(x \in \mathbb{R}\).

(a) Find \(f(1)\) and \(f(5)\).

(b) Explain why \(f\) does not have an inverse function.

(a) \[f(1) = (-2)^{2} = 4, \qquad f(5) = 2^{2} = 4\]

(b) \(f(1) = f(5) = 4\), so two different inputs give the same output and \(f\) is not one-to-one. An inverse function would have to send \(4\) back to a single input, so no inverse function exists.

(a) かっこの中を先に計算します。\(1 - 3 = -2\) で、\((-2)^{2} = 4\) です。負の数の \(2\) 乗は正になります。

(b) Explain why なので、(a) で見つけた具体例をそのまま根拠に使います(第 7 節)。

数は \(1\) と \(5\) でなくてもかまいません。同じ値になる、ちがう \(2\) つの入力が \(1\) 組あれば十分です。\(x = 3\) から左右に同じだけ離れた \(2\) 数なら、いつでも同じ値になります。

検算。 挙げた \(2\) 数が、本当に同じ値になるかを確かめます。\(f(1) = 4\)、\(f(5) = 4\) ✓ しかも \(1 \neq 5\) ✓ この \(2\) つがそろって、はじめて理由になります。

別の組でも確かめられます。 \(f(2) = (-1)^{2} = 1\)、\(f(4) = 1^{2} = 1\) ✓ 同じ値になる組は \(1\) 組だけではありません。

「グラフが放物線だから」だけでは、理由になりません。 なぜ放物線だと困るのかまで書いてください。

試験ではこう書く

From part (a), \(f(1) = 4\) and \(f(5) = 4\), so two different inputs give the same output and \(f\) is not one-to-one.

An inverse function would have to send \(4\) back to a single input, but both \(1\) and \(5\) would have to be that input, so \(f\) has no inverse function on this domain.

10 A student is asked to find the domain of \(f(x) = \sqrt{5 - x}\), and writes

\[ 5 - x \ge 0, \qquad x \ge 5 \]

Identify the error in the student’s work, and write down the correct domain.

The student did not reverse the inequality sign when dividing by \(-1\).

\[-x \ge -5, \qquad x \le 5\]

Identify the error なので、どこが違うのかを名指ししてから、正しい答えを書きます。

\(5 - x \ge 0\) から \(-x \ge -5\) です。ここで両辺を \(-1\) で割る(または \(-1\) を掛ける)ので、不等号の向きが変わります。

検算。 生徒の答えと正しい答えを、それぞれ式に入れて比べます。\(x = 6\) は生徒の範囲に入っていますが、\(\sqrt{5-6} = \sqrt{-1}\) となり値が出ません ✓ \(x = 0\) は生徒の範囲の外ですが、\(\sqrt{5}\) という値が出ます ✓ どちらの向きが正しいかは、\(1\) つ入れてみれば決まります。

負の数で割ると向きが変わるのは、不等式の扱いでいちばん多い誤りです。割ったあとに、値を \(1\) つ入れて確かめる習慣をつけてください。

試験ではこう書く

The error is in the last step: dividing both sides of \(-x \ge -5\) by \(-1\) reverses the inequality sign, but the student kept it the same.

The correct domain is \(x \le 5\).