SL 5.8 — Maximum and minimum points, concavity and optimization(極大・極小・凹凸・変曲点と最適化)

ノートWhat you should be able to do
  • stationary point(停留点)を、\(f'(x) = 0\) を解いて求められる。
  • local maximum(極大)と local minimum(極小)を、\(f'\) の符号の変わり方で判定できる。
  • 同じ判定を、\(f''\) の符号でもできる。
  • concave-up(下に凸)と concave-down(上に凸)の範囲を、\(f''\) の符号から求められる。
  • point of inflexion(変曲点)を、\(f''\) が符号を変えるところとして求められる。
  • \(f''(a) = 0\) だけでは変曲点と言えないことを、例をあげて説明できる。
  • 文章から、最大(最小)にしたい量を式で書ける。
  • constraint(制約条件)を使って、変数を \(1\) つに減らせる。
  • domain(定義域)を、問題の意味に合うように決められる。
  • 答えを、聞かれた量と単位で書ける。

The idea

1. Stationary points and their types(停留点とその種類)

停留点の種類を、\(3\) 次関数のグラフで見ます。

図 1: \(3\) 次関数の曲線と、印を付けた \(3\) つの点、凹凸を示す帯です。

\(f'(a) = 0\) となる点を stationary point(停留点)といいます(SL 5.2)。グラフがそこで水平になります。

SL で扱う関数では、停留点は次の \(3\) 種類のどれかになります(図 1)。

表 1: 停留点の \(3\) 種類
種類 英語 そのまわりでのようす
極大 local maximum いちばん高い
極小 local minimum いちばん低い
傾き \(0\) の変曲点 point of inflexion with zero gradient 上がり(下がり)つづける

「local」は「そのまわりで」という意味です。 グラフ全体でいちばん高いとはかぎりません。

座標を聞かれたら、\(y\) の値も出してください。 \(x\) を求めたら、もとの \(f(x)\) に入れます。

2. First derivative test(第 1 次導関数による判定)

\(f'(a) = 0\) のとき、\(a\) の左右で \(f'\) の符号を調べる方法です。 \(f'\) が \(+\) から \(-\) に変われば local maximum(極大)、\(-\) から \(+\) に変われば local minimum(極小)です。

符号の並びと停留点の種類の対応は、SL 5.2 にまとめてあります。 sign diagram(符号表)のかき方も、そちらを見てください。

符号が変わらないときは、そこで止めます。 わかるのは「極大でも極小でもない」ことだけで、gradient(傾き) \(0\) の変曲点かどうかは、\(f''\) が符号を変えるかどうかで決まります(第 5 節)。

3. Concave-up and concave-down(下に凸と上に凸)

グラフの曲がり方を、接線の傾きの変わり方で見ます。

図 2: \(2\) つの曲線に、それぞれ \(3\) 本の接線の線分をかいています。

\(f''(x) > 0\) の範囲を concave-up(下に凸)といいます。 グラフの傾きがだんだん大きくなる範囲です(SL 5.7)。

\(f''(x) < 0\) の範囲を concave-down(上に凸)といいます。 傾きがだんだん小さくなる範囲です。

左から右へたどると、接線は concave-up では反時計回りに、concave-down では時計回りに回っていきます(図 2)。

これは増加・減少とは別の話です。 concave-up でも下がりつづけることがありますし、concave-down でも上がりつづけることがあります。

答えは区間で書きます。 「\(x > 2\) で concave-up」のように書きます。

tangent(接線)をならべると、傾きの変わり方が見えます(図 2)。concave-up では接線がだんだん右上がりになり、concave-down ではだんだん右下がりになります。

4. Second derivative test(第 2 次導関数による判定)

\(f''\) の符号は、そこでの concavity(凹凸)を表していました(第 3 節)。停留点ではグラフが水平になっているので、そのまわりが concave-down なら山の形、concave-up なら谷の形です。だから、\(f''(a)\) の符号が分かれば極大か極小かが決まります。

左右を調べるかわりに、\(x = a\) での \(f''\) の値を \(1\) つ計算するだけです。

\(f'(a) = 0\) のとき

表 2: \(f''\) による判定
\(f''(a)\) \(x = a\) は
\(f''(a) < 0\) a local maximum
\(f''(a) > 0\) a local minimum
\(f''(a) = 0\) not decided by this test

符号の向きに気をつけてください。 \(f'' < 0\) が極大です。逆に覚えている人がとても多いところです。\(f'' < 0\) は concave-down、つまり上にふくらんだ形だと思えば、取りちがえにくくなります(第 3 節)。

\(f''(a) = 0\) のときは、第 2 節 にもどります。 \(f'\) の符号を左右で調べれば、極大か、極小か、そのどちらでもないかがわかります(SL 5.2)。

例題 1 The function \(f\) is given by \(f(x) = 2x^{3} + 3x^{2} - 12x + 1\). Find the coordinates of the local maximum point and of the local minimum point.

\(1\) 歩目。 \(f'(x) = 0\) を解きます。

\[ f'(x) = 6x^{2} + 6x - 12 = 6(x + 2)(x - 1) \]

\[ x = -2 \quad \text{or} \quad x = 1 \]

\(2\) 歩目。 \(f''\) で判定します(第 4 節)。

\[ f''(x) = 12x + 6 \]

\(f''(-2) = -24 + 6 = -18 < 0\) なので、\(x = -2\) は極大です。

\(f''(1) = 12 + 6 = 18 > 0\) なので、\(x = 1\) は極小です。

\(3\) 歩目。 \(y\) の値を出します。

\[ f(-2) = -16 + 12 + 24 + 1 = 21 \]

\[ f(1) = 2 + 3 - 12 + 1 = -6 \]

極大点は \((-2, 21)\)、極小点は \((1, -6)\) です。

検算(両側の値で)。 \(f(-3) = -54 + 27 + 36 + 1 = 10\)、\(f(-1) = -2 + 3 + 12 + 1 = 14\) ✓ どちらも \(21\) より小さいので、\((-2, 21)\) がそのまわりでいちばん高い点だと確かめられます。

検算(\(y\) の値)。 \(f(1) = 2 + 3 - 12 + 1 = -6\) ✓ もとの式に入れて出しました。

検算(\(f'\) の符号で)。 \(f'(0) = -12 < 0\) です ✓ \(x = -2\) と \(x = 1\) のあいだで \(f\) が減っているので、左が極大、右が極小と合っています。

検算(因数分解)。 \(6(x+2)(x-1) = 6x^{2} + 6x - 12\) ✓ 展開してもどりました。

ノート解答例(答案用紙に書くこと)

\[f'(x) = 6x^{2} + 6x - 12 = 6(x + 2)(x - 1) = 0\] \[x = -2, \qquad x = 1\] \[f''(x) = 12x + 6\] \[f''(-2) = -18 < 0 \quad \text{(maximum)}, \qquad f''(1) = 18 > 0 \quad \text{(minimum)}\] \[(-2,\ 21) \quad \text{and} \quad (1,\ -6)\]

5. Point of inflexion(変曲点)

point of inflexion(変曲点)は、concave-up と concave-down が入れかわる点です。

\((a,\ f(a))\) が変曲点であるための条件は、次の \(2\) つです。

\[ f''(a) = 0 \quad \text{and} \quad f'' \text{ changes sign at } x = a \tag{1}\]

\(f''(a) = 0\) を解いて候補を出し、そのあと符号が変わるかを確かめます。 この \(2\) 段が要ります。

符号が変わったことを、答案に書いてください。 \(f'\) のときと同じように、\(f''\) の符号表をかくのがいちばん確かです(SL 5.2)。\(a\) の左右で \(f''\) の値を \(1\) つずつ計算し、\(+\) と \(-\) を書きこみます。

\(f''(a) = 0\) だけでは足りません。 \(f(x) = x^{4}\) は \(f''(0) = 0\) ですが、\(f''(x) = 12x^{2}\) の符号が変わらないので \((0,\ 0)\) は変曲点ではありません。\(f(x) = x^{3}\) なら \(f''(x) = 6x\) の符号が変わるので、\((0,\ 0)\) は変曲点です。

変曲点は、停留点とはかぎりません。 条件は \(f''\) についてのものだけなので、\(f'(a) \ne 0\) の傾きのある変曲点もふつうにあります。

例題 2 The function \(f\) is given by \(f(x) = x^{4} - 4x^{3}\). Find the coordinates of the points of inflexion on the graph of \(f\), and state which of them is a stationary point.

\(1\) 歩目。 \(f''(x) = 0\) を解いて、候補を出します。

\[ f'(x) = 4x^{3} - 12x^{2} \]

\[ f''(x) = 12x^{2} - 24x = 12x(x - 2) \]

\[ x = 0 \quad \text{or} \quad x = 2 \]

\(2\) 歩目。 それぞれで符号が変わるかを確かめます(第 5 節)。

\(f''(-1) = 12 + 24 = 36 > 0\)、\(f''(1) = 12 - 24 = -12 < 0\) なので、\(x = 0\) で符号が変わります。

\(f''(1) = -12 < 0\)、\(f''(3) = 108 - 72 = 36 > 0\) なので、\(x = 2\) でも符号が変わります。

\(3\) 歩目。 \(y\) の値を出します。

\[ f(0) = 0, \qquad f(2) = 16 - 32 = -16 \]

変曲点は \((0, 0)\) と \((2, -16)\) です。

\(4\) 歩目。 停留点かどうかを見ます(第 5 節)。

\(f'(0) = 0\) なので \((0,0)\) は停留点です。\(f'(2) = 32 - 48 = -16 \ne 0\) なので、\((2,-16)\) は停留点ではありません。

検算(\(f''\) の形)。 \(12x(x-2)\) は \(2\) 次式で、\(2\) つの根のあいだで負、外で正です ✓ 調べた値と合っています。

検算(符号の並び)。 正・負・正と並んでいるので、符号の変わり目はちょうど \(2\) か所です ✓ \(f''\) が \(2\) 次式であることと合っています。

検算(\(f(2)\))。 \(2^{4} = 16\)、\(4 \times 2^{3} = 32\) なので \(16 - 32 = -16\) ✓

検算(\(f'(2)\))。 \(4 \times 8 - 12 \times 4 = 32 - 48 = -16\) ✓ \(0\) ではないので、停留点ではありません。

ノート解答例(答案用紙に書くこと)

\[f'(x) = 4x^{3} - 12x^{2}, \qquad f''(x) = 12x^{2} - 24x = 12x(x - 2)\] \[f''(x) = 0 \Rightarrow x = 0, \ x = 2\] \[f''(-1) = 36 > 0, \quad f''(1) = -12 < 0, \quad f''(3) = 36 > 0\] so \(f''\) changes sign at both values \[(0,\ 0) \quad \text{and} \quad (2,\ -16)\] \((0,0)\) is a stationary point since \(f'(0) = 0\); \((2,-16)\) is not, since \(f'(2) = -16\)

6. Optimization(最適化とは)

optimization(最適化)は、ある量をいちばん大きく(小さく)する場面を求めることです。

面積、体積、費用、利益などが題材になります。やることは第 1〜5 節と同じで、極大・極小を求めるだけです。 ちがうのは、式が問題文からは直接与えられないところです。

式を自分で作るところが、この項目の中心です。

図 3: \(1\) 辺 \(a\) の正方形の四隅から、\(1\) 辺 \(x\) の正方形を切り取ります。

たとえば、正方形の板の四隅から小さい正方形を切り取り、残りを折り上げてふたのない箱を作る場面です(図 3)。切り取る長さ \(x\) を変えると体積が変わるので、体積がいちばん大きくなる \(x\) を求めます。

箱の底面は \(1\) 辺 \(a - 2x\) の正方形、高さは \(x\) です。

式の作り方と進め方は、例題で具体的に見てください。 このあとの例題 3 と例題 4 が、この形の問題です。

例題 3 A rectangle has a perimeter of \(40\) m. Find the largest possible area of the rectangle.

\(1\) 歩目。 \(2\) 辺を \(x\) m と \(y\) m とします。

\(2\) 歩目。 最大にしたい量は面積です。

\[ A = xy \]

\(3\) 歩目。 制約条件は \(2x + 2y = 40\)、つまり \(y = 20 - x\) です。

\[ A = x(20 - x) = 20x - x^{2} \]

\(4\) 歩目。 \(x\) も \(y\) も正なので、定義域は \(0 < x < 20\) です。

\(5\) 歩目。 微分します。

\[ \frac{dA}{dx} = 20 - 2x = 0 \quad \Rightarrow \quad x = 10 \]

\[ \frac{d^{2}A}{dx^{2}} = -2 < 0 \]

\(\dfrac{d^{2}A}{dx^{2}}\) が負なので、\(x = 10\) で極大です。

\(6\) 歩目。 聞かれているのは面積です。

\[ A = 10 \times 10 = 100 \]

最大の面積は \(100\) m\(^{2}\) です。

検算(定義域)。 \(10\) は \(0 < x < 20\) の中にあります ✓

検算(両側の値で)。 \(A(9) = 9 \times 11 = 99\)、\(A(11) = 11 \times 9 = 99\) ✓ どちらも \(100\) より小さくなっています。

検算(形)。 \(y = 20 - 10 = 10\) なので、正方形になっています ✓ まわりの長さが決まった長方形では、正方形の面積がいちばん大きくなります。

検算(単位)。 長さが m なので、面積は m\(^{2}\) です ✓

ノート解答例(答案用紙に書くこと)

\[2x + 2y = 40 \quad \Rightarrow \quad y = 20 - x\] \[A = x(20 - x) = 20x - x^{2}, \qquad 0 < x < 20\] \[\frac{dA}{dx} = 20 - 2x = 0 \quad \Rightarrow \quad x = 10\] \[\frac{d^{2}A}{dx^{2}} = -2 < 0 \quad \text{(maximum)}\] \[A = 100 \text{ m}^{2}\]

例題 4 An open box is made from a square sheet of card of side \(24\) cm by cutting a square of side \(x\) cm from each corner and folding up the sides. Find the value of \(x\) that gives the largest volume, and find that volume.

\(1\) 歩目から \(3\) 歩目まで。 制約条件は「板の \(1\) 辺が \(24\) cm」です。四隅から \(x\) cm ずつ切るので、底面は \(1\) 辺 \((24 - 2x)\) cm、高さは \(x\) cm になります(図 3)。この時点で、変数は \(x\) だけになっています。

\[ V = x(24 - 2x)^{2} \]

\(4\) 歩目。 切り取れるのは \(x > 0\) で、底面が残るには \(24 - 2x > 0\) が要ります。定義域は \(0 < x < 12\) です。

\(5\) 歩目。 積の微分法と連鎖律を使います(SL 5.6)。

\[ \frac{dV}{dx} = (24 - 2x)^{2} + x \times 2(24 - 2x) \times (-2) \]

\((24 - 2x)\) でくくります。

\[ \frac{dV}{dx} = (24 - 2x)\bigl[(24 - 2x) - 4x\bigr] = (24 - 2x)(24 - 6x) \]

\[ \frac{dV}{dx} = 0 \quad \Rightarrow \quad x = 12 \quad \text{or} \quad x = 4 \]

\(x = 12\) は定義域の外なので捨てます。 そのとき底面の \(1\) 辺が \(0\) になり、箱ができません。

\(x = 3\) では \(\dfrac{dV}{dx} = 18 \times 6 = 108 > 0\)、\(x = 5\) では \(\dfrac{dV}{dx} = 14 \times (-6) = -84 < 0\) です。正から負に変わるので、\(x = 4\) で極大です。

\(6\) 歩目。

\[ V = 4 \times 16^{2} = 1024 \]

\(x = 4\) のとき、体積は \(1024\) cm\(^{3}\) です。

検算(定義域)。 \(4\) は \(0 < x < 12\) の中、\(12\) は外です ✓

検算(両側の値で)。 \(V(3) = 3 \times 18^{2} = 972\)、\(V(5) = 5 \times 14^{2} = 980\) ✓ どちらも \(1024\) より小さくなっています。

検算(別の道で)。 先に \(V = x(24-2x)^{2} = 4x^{3} - 96x^{2} + 576x\) と展開してから微分すると \(12x^{2} - 192x + 576\) です。\((24 - 2x)(24 - 6x)\) を展開しても \(12x^{2} - 192x + 576\) ✓ 別の道で同じ式になりました。

検算(単位)。 長さが cm なので、体積は cm\(^{3}\) です ✓

ノート解答例(答案用紙に書くこと)

\[V = x(24 - 2x)^{2}, \qquad 0 < x < 12\] \[\frac{dV}{dx} = (24 - 2x)(24 - 6x) = 0 \quad \Rightarrow \quad x = 4 \text{ or } x = 12\] \(x = 12\) is outside the domain, so it is rejected \[\frac{dV}{dx} > 0 \text{ at } x = 3, \qquad \frac{dV}{dx} < 0 \text{ at } x = 5 \quad \text{(maximum)}\] \[x = 4, \qquad V = 1024 \text{ cm}^{3}\]

警告この項目は Paper 1 でも Paper 2 でも出ます

判定と座標の計算は、電卓なしで出します。このページの例題と演習は、すべて手で解ける形です。

Paper 2 では、文章題の最大・最小を電卓で出してもかまいませんが、式を作るところと定義域は自分で書きます。

グラフ画面に \(y = f(x)\) をかき、極大・極小の位置が求めた座標と合っているかを目で確かめます。

\(y = f''(x)\) もいっしょにかくと、符号が変わる場所が見えます。

文章題では、定義域の外を見ていないかもいっしょに確かめてください。 グラフは定義域の外にも続いてしまいます。

Why it works

なぜ、\(f'\) の符号が変わると極大や極小になるのでしょうか。 上がってから下がれば、その境目がいちばん高いからです。

\(a\) の左で \(f' > 0\) なら、そこまで \(f\) は増加しています。\(a\) の右で \(f' < 0\) なら、そこから減少します。だから \(f(a)\) は、そのまわりでいちばん大きい値です(SL 5.2)。極小はその逆です。

なぜ、\(f''(a) < 0\) で極大になるのでしょうか。 \(f'\) が減っていく途中で \(0\) を通るからです。

\(f''(a) < 0\) は、\(f'\) の変化率が \(x = a\) で負だということです。\(f'(a) = 0\) なので、\(a\) のすぐ左では \(f'\) の値は \(0\) より大きく、すぐ右では \(0\) より小さくなります。これは、\(f'\) が \(+\) から \(-\) に変わるということです(SL 5.2)。

「\(a\) のまわりの区間で \(f'\) が減少している」とまでは、\(f''(a) < 0\) だけからは言えません。 SL 5.7 の言い方は、区間全体で \(f''\) の符号が決まっているときのものです。

つまり、\(2\) つの判定は別々の事実ではありません。 \(f''\) による判定は、\(f'\) の符号の変わり方を \(1\) 度の計算で調べる近道です。

なぜ、\(f''(a) = 0\) では決まらないのでしょうか。 \(f'\) の減り方・増え方が、そこで止まっているだけだからです。

\(f''(a) = 0\) は「\(f'\) の変化がその瞬間 \(0\)」という意味で、\(f'\) が \(a\) の前後で符号を変えるかどうかは何も言いません。だから、\(f'\) を直接見にいくしかありません。

なぜ、変曲点には符号の変化が要るのでしょうか。 変曲点の意味が「向きが入れかわる点」だからです。

concave-up と concave-down のちがいは \(f''\) の符号です。入れかわるということは、\(f''\) の符号が変わるということです。 \(f''(a) = 0\) は、その途中で通るだけの条件です。

なぜ、変数を \(1\) つにするのでしょうか。 微分は \(1\) 変数の関数についての道具だからです。

\(A = xy\) のままでは、\(x\) を動かしたときに \(y\) もどう動くかが決まりません。制約条件は、その動き方を決めてくれます。 \(y\) を \(x\) で書きなおせば、\(A\) は \(x\) だけの関数になり、微分できます。

なぜ、定義域が要るのでしょうか。 式は、場面より広い範囲で意味をもってしまうからです。

\(A = x(14 - x)\) は \(x = 20\) でも計算できますが、そのとき「もう片方の辺」は \(-6\) になります。式は数を返しますが、場面としてはありえません。 だから、はじめに範囲を決めておきます。

なぜ、極大・極小の判定が要るのでしょうか。 \(f'(x) = 0\) は、極大でも極小でも、傾き \(0\) の変曲点でも起こるからです(第 1 節)。

「文章題だから最大に決まっている」とは言えません。 同じ式が、別の場面では最小を聞いていることもあります。判定を書けば、どちらであっても正しく答えられます。

なぜ、\(\dfrac{k}{x}\) の形がよく出るのでしょうか。 固定された量から求めた文字を、面積の式でもう一度かけ算するからです。

半径 \(r\) の円柱で体積が \(V\) に決まっていれば、高さは \(\dfrac{V}{\pi r^{2}}\) です。側面積はこれに \(2\pi r\) をかけた \(\dfrac{2V}{r}\) になります。\(r^{2}\) が \(1\) つ約分されるので、分母が \(r^{2}\) ではなく \(r\) になります。

Common errors

警告\(f'(a) = 0\) だけで極大・極小と決める

停留点には変曲点もあります(第 1 節)。判定が要ります。

警告\(f''\) の符号の向きを逆に覚える

\(f''(a) < 0\) が極大です(第 4 節)。ここは毎年まちがえる人がいます。

警告\(f''(a) = 0\) だけで変曲点と決める

符号が変わることまで確かめてください(第 5 節)。\(y = x^{4}\) が反例です。

警告座標を聞かれて \(x\) だけ答える

\(y\) の値も出してください(第 1 節)。もとの \(f(x)\) に入れます。

警告concave-up を「増加」と混同する

concave-up は傾きが増えることで、\(y\) が増えることではありません(第 3 節)。

警告変曲点は必ず停留点だと思う

\(f'(a) \ne 0\) の変曲点もあります(第 5 節)。

警告定義域を書かない

意味から決まる範囲を、はじめに書いてください(第 6 節)。捨てる解の理由になります。

警告極大・極小であることを示さない

\(f'(x) = 0\) を解いただけでは足りません(第 4 節)。\(f''\) か、\(f'\) の符号を書きます。

警告変数が \(2\) つのまま微分する

制約条件で \(1\) つに減らしてから微分します(第 6 節)。

警告図から式を作るときに、寸法を取りちがえる

\(x\) が半分の長さなのか、全体の長さなのかを、図に書きこんで確かめます(第 6 節)。

警告聞かれた量を、単位をつけて答えない

「最大の面積」を聞かれていたら、\(x\) ではなく面積を、cm\(^{2}\) をつけて書きます(第 6 節)。

警告意味のない解をそのまま使う

定義域の外の解は、理由をつけて捨てます(第 6 節)。

Exercises

1 The function \(f\) is given by \(f(x) = x^{3} - 12x + 1\). Find the coordinates of the local maximum point and of the local minimum point, using the sign of \(f'\) to show which is which.

\[f'(x) = 3x^{2} - 12 = 3(x - 2)(x + 2) = 0 \Rightarrow x = -2, \ x = 2\]

\[f'(-3) = 15 > 0, \qquad f'(0) = -12 < 0, \qquad f'(3) = 15 > 0\]

\(f'\) changes from positive to negative at \(x = -2\), so \((-2,\ 17)\) is a local maximum point

\(f'\) changes from negative to positive at \(x = 2\), so \((2,\ -15)\) is a local minimum point

\(f'(x) = 0\) を解いてから、\(3\) か所で \(f'\) の符号を調べます(第 2 節)。

検算(\(y\) の値)。 \(f(-2) = -8 + 24 + 1 = 17\)、\(f(2) = 8 - 24 + 1 = -15\) ✓

検算(\(f''\) でも)。 \(f''(x) = 6x\) なので \(f''(-2) = -12 < 0\)、\(f''(2) = 12 > 0\) ✓ 同じ結論になります(第 4 節)。

検算(両側の値で)。 \(f(-3) = -27 + 36 + 1 = 10\)、\(f(-1) = -1 + 12 + 1 = 12\) ✓ どちらも \(17\) より小さいので、\((-2, 17)\) はそのまわりでいちばん高い点です。

2 The function \(f\) is given by \(f(x) = x^{3} - 3x^{2} + 4\). Find the coordinates of the point of inflexion on the graph of \(f\).

\[f'(x) = 3x^{2} - 6x, \qquad f''(x) = 6x - 6\]

\[f''(x) = 0 \Rightarrow x = 1\]

\[f''(0) = -6 < 0, \qquad f''(2) = 6 > 0\]

so \(f''\) changes sign at \(x = 1\)

\[(1,\ 2)\]

候補を出してから、符号が変わることを確かめます(第 5 節)。

検算(\(y\) の値)。 \(f(1) = 1 - 3 + 4 = 2\) ✓

検算(\(1\) 次式)。 \(f''\) は \(1\) 次式なので、符号は必ず \(1\) 度だけ変わります ✓

検算(停留点か)。 \(f'(1) = 3 - 6 = -3 \ne 0\) です ✓ 傾きのある変曲点です(第 5 節)。

3 The function \(f\) is given by \(f(x) = x^{4} - 2x^{3}\). Find the interval on which the graph of \(f\) is concave-down.

\[f'(x) = 4x^{3} - 6x^{2}, \qquad f''(x) = 12x^{2} - 12x = 12x(x - 1)\]

\[12x(x - 1) < 0\]

\[0 < x < 1\]

concave-down は \(f''(x) < 0\) の範囲です(第 3 節)。因数分解してから符号を見ます。

検算(\(x = \dfrac{1}{2}\) で)。 \(f''\left(\dfrac{1}{2}\right) = 3 - 6 = -3 < 0\) ✓ 求めた区間の中にあります。

検算(外側で)。 \(f''(-1) = 12 + 12 = 24 > 0\)、\(f''(2) = 48 - 24 = 24 > 0\) ✓ どちらも区間の外です。

検算(端で)。 \(f''(0) = 0\)、\(f''(1) = 0\) です ✓ 区間の端で \(f''\) が \(0\) になっています。

4 The function \(f\) is given by \(f(x) = x + \dfrac{4}{x}\), for \(x \ne 0\). Find the coordinates of the stationary points and determine their nature.

\[f(x) = x + 4x^{-1}\]

\[f'(x) = 1 - 4x^{-2} = 0 \Rightarrow x^{2} = 4 \Rightarrow x = -2, \ x = 2\]

\[f''(x) = 8x^{-3}\]

\[f''(-2) = -1 < 0 \quad \text{(maximum)}, \qquad f''(2) = 1 > 0 \quad \text{(minimum)}\]

\((-2,\ -4)\) is a local maximum point

\((2,\ 4)\) is a local minimum point

\(\dfrac{4}{x} = 4x^{-1}\) と見て微分します(SL 5.3)。

検算(\(y\) の値)。 \(f(-2) = -2 - 2 = -4\)、\(f(2) = 2 + 2 = 4\) ✓

検算(\(f''\) の値)。 \(f''(2) = \dfrac{8}{8} = 1\)、\(f''(-2) = \dfrac{8}{-8} = -1\) ✓

検算(「local」の意味)。 極大の \(y\) は \(-4\)、極小の \(y\) は \(4\) で、極大のほうが小さいです ✓ 極大・極小はそのまわりでの話で、グラフ全体の高い低いではありません(第 1 節)。

5 A student writes: “\(f''(2) = 0\), so the graph of \(f\) has a point of inflexion at \(x = 2\).” Explain why this reasoning is not enough, and state what else must be checked.

\(f''(2) = 0\) does not say that \(f''\) changes sign at \(2\)

you must also check the sign of \(f''\) on each side of \(2\)

\(f''(a) = 0\) は候補を出す条件で、判定ではありません(第 5 節)。

検算(反例)。 \(f(x) = (x-2)^{4}\) とすると \(f''(x) = 12(x-2)^{2}\) で、\(f''(2) = 0\) ですが符号は変わりません ✓ 変曲点ではありません。

検算(何を書けばよいか)。 \(x = 1\) と \(x = 3\) での \(f''\) の値を並べれば足ります ✓

検算(逆は正しいか)。 \(f''(a)\) が計算できる変曲点では、\(f''(a) = 0\) です ✓ この向きは成り立ちます。

試験ではこう書く

A point of inflexion requires \(f''\) to change sign, not just to be zero.

The equation \(f''(2) = 0\) only produces a candidate.

For example, if \(f(x) = (x - 2)^{4}\) then \(f''(2) = 0\), but \(f''(x) = 12(x - 2)^{2}\) is positive on both sides, so there is no point of inflexion.

The student must also check the sign of \(f''\) on each side of \(x = 2\).

6 A rectangle has an area of \(36\) cm\(^{2}\). Find the smallest possible perimeter of the rectangle.

\[xy = 36 \quad \Rightarrow \quad y = \frac{36}{x}\]

\[P = 2x + \frac{72}{x}, \qquad x > 0\]

\[\frac{dP}{dx} = 2 - \frac{72}{x^{2}} = 0 \quad \Rightarrow \quad x^{2} = 36 \quad \Rightarrow \quad x = 6\]

\[\frac{d^{2}P}{dx^{2}} = \frac{144}{x^{3}} > 0 \text{ for } x > 0 \quad \text{(minimum)}\]

\[P = 24 \text{ cm}\]

今度は面積が制約条件で、まわりの長さを最小にします(第 6 節)。

検算(両側の値で)。 \(P(4) = 8 + 18 = 26\)、\(P(9) = 18 + 8 = 26\) ✓ どちらも \(24\) より大きくなっています。

検算(\(x = -6\) は)。 \(x^{2} = 36\) の解は \(\pm 6\) ですが、\(x > 0\) なので \(-6\) は捨てます ✓(第 6 節)

検算(形)。 \(y = \dfrac{36}{6} = 6\) なので正方形です ✓

7 A farmer has \(200\) m of fencing. He uses it to make three sides of a rectangular field; the fourth side is an existing straight wall. Find the largest possible area of the field.

\[2x + y = 200 \quad \Rightarrow \quad y = 200 - 2x\]

\[A = x(200 - 2x), \qquad 0 < x < 100\]

\[\frac{dA}{dx} = 200 - 4x = 0 \quad \Rightarrow \quad x = 50\]

\[\frac{d^{2}A}{dx^{2}} = -4 < 0 \quad \text{(maximum)}\]

\[A = 5000 \text{ m}^{2}\]

柵は \(3\) 辺だけなので、制約条件は \(2x + y = 200\) です(第 6 節)。

検算(両側の値で)。 \(A(49) = 49 \times 102 = 4998\)、\(A(51) = 51 \times 98 = 4998\) ✓

検算(形)。 \(y = 200 - 100 = 100\) なので、壁に沿った辺が \(2\) 倍の長さです ✓ 正方形ではありません。

検算(柵の長さ)。 \(2 \times 50 + 100 = 200\) ✓ 制約条件にもどります。

8 A shop sells a toy for \(p\) dollars each. At this price it sells \(60 - 2p\) toys each day. The shop also has daily running costs of \(100\) dollars.

(a) Show that the daily profit, in dollars, is \(P = 60p - 2p^{2} - 100\).

(b) Find the price that gives the largest daily profit, and find that profit.

(a) \[P = p(60 - 2p) - 100 = 60p - 2p^{2} - 100, \qquad 0 < p < 30\]

(b) \[\frac{dP}{dp} = 60 - 4p = 0 \quad \Rightarrow \quad p = 15\]

\[\frac{d^{2}P}{dp^{2}} = -4 < 0 \quad \text{(maximum)}\]

\[P = 900 - 450 - 100 = 350\]

the price is \(15\) dollars and the largest daily profit is \(350\) dollars

売上は「値段 × 売れる個数」です。そこから運営費を引くと利益になります(第 6 節)。

検算(定義域)。 売れる個数 \(60 - 2p\) は正でなければならないので \(p < 30\) です ✓ 値段も正なので \(0 < p < 30\) です。

検算(両側の値で)。 \(P(14) = 840 - 392 - 100 = 348\)、\(P(16) = 960 - 512 - 100 = 348\) ✓ どちらも \(350\) より小さくなっています。

検算(売れる個数)。 \(p = 15\) のとき \(60 - 30 = 30\) 個売れます ✓ 売上は \(15 \times 30 = 450\) ドル、そこから \(100\) を引いて \(350\) ドルです。

9 The cost, in dollars, of running a machine for \(x\) hours is \(C(x) = 3x + \dfrac{1200}{x}\), for \(x > 0\). Find the value of \(x\) that minimises the cost. Justify that your value gives a minimum.

\[C'(x) = 3 - \frac{1200}{x^{2}} = 0 \quad \Rightarrow \quad x^{2} = 400 \quad \Rightarrow \quad x = 20\]

\[C''(x) = \frac{2400}{x^{3}} > 0 \text{ for } x > 0 \quad \text{(minimum)}\]

\[x = 20 \text{ hours}\]

\(\dfrac{1200}{x} = 1200x^{-1}\) と見て微分します(SL 5.3)。

検算(\(x = -20\) は)。 \(x^{2} = 400\) の解は \(\pm 20\) ですが、\(x > 0\) なので \(-20\) は捨てます ✓

検算(値)。 \(C(20) = 60 + 60 = 120\) ✓

検算(両側の値で)。 \(C(10) = 30 + 120 = 150\)、\(C(40) = 120 + 30 = 150\) ✓ どちらも \(120\) より大きくなっています。

試験ではこう書く

Differentiating gives \(C'(x) = 3 - \dfrac{1200}{x^{2}}\).

Setting this equal to zero gives \(x^{2} = 400\), so \(x = 20\) (the value \(x = -20\) is rejected because \(x > 0\)).

Differentiating again gives \(C''(x) = \dfrac{2400}{x^{3}}\), which is positive for every \(x > 0\).

A positive second derivative at a stationary point means a minimum, so the cost is least when \(x = 20\).

10 A rectangle has a perimeter of \(48\) cm. To find the largest possible area, a student writes \(A = x(24 - x)\), where \(x\) cm is one side, and then \(\dfrac{dA}{dx} = 24 - 2x = 0\), so \(x = 12\). The student stops there. Describe what else the student must do to complete the answer.

justify that \(x = 12\) gives a maximum, for example by showing \(\dfrac{d^{2}A}{dx^{2}} = -2 < 0\)

state the domain \(0 < x < 24\)

answer the question asked: the area, \(A = 144\) cm\(^{2}\), not the value of \(x\)

\(5\) 歩目と \(6\) 歩目が抜けています(第 6 節)。

検算(面積の値)。 \(A = 12 \times 12 = 144\) ✓

検算(判定)。 \(\dfrac{d^{2}A}{dx^{2}} = -2 < 0\) なので極大です ✓

検算(何が聞かれたか)。 聞かれたのは面積で、\(x\) ではありません ✓

試験ではこう書く

The student must justify that \(x = 12\) gives a maximum, for example by finding \(\dfrac{d^{2}A}{dx^{2}} = -2\), which is negative.

The domain should also be stated: both sides are positive lengths, so \(0 < x < 24\).

Finally the question asks for the area, not for \(x\), so the student must substitute to get \(A = 12 \times 12 = 144\) and give the answer with units.