SL 2.5 — Composite functions and the inverse function(合成関数と逆関数)

ノートWhat you should be able to do
  • composite function(合成関数)\((f \circ g)(x) = f(g(x))\) の意味が分かる。
  • \(f \circ g\) と \(g \circ f\) を区別して計算できる。
  • 合成関数の domain を、内側と外側の両方から決められる。
  • \(f^{-1}(x)\) の式を求められる。
  • \((f \circ f^{-1})(x) = (f^{-1} \circ f)(x) = x\) を、検算に使える。
  • \(f^{-1}\) の domain と range を書ける。

The idea

1. Composite functions(合成関数は、機械を \(2\) 台つないだもの)

\(2\) つの関数を続けて使う考え方を見ます。図は、\((f \circ g)(x)\) では内側の \(g\) が先に働くようすです。

図 1: \((f \circ g)(x)\) では、内側の関数 \(g\) が先に働きます。

関数を「入れたら出てくる機械」だと思ってください(SL 2.2)。

composite function(合成関数)とは、\(1\) 台目の出口を、\(2\) 台目の入口につないだものです。

図 1 が、そのようすです。\(x\) を \(g\) に入れて \(g(x)\) が出てきたら、それをそのまま \(f\) に入れます。

2. Order of composition(\((f \circ g)(x) = f(g(x))\) は内側が先)

合成関数の記号は、次のように決まっています。

\[ (f \circ g)(x) = f\bigl(g(x)\bigr) \tag{1}\]

\(\circ\) は「かける」ではありません。 \(f \circ g\) は \(f \times g\) とは別のもので、関数 \(f\) の中に \(g\) が入っているという意味です。

順番は、右から左です。\(f \circ g\) と書いてあったら、\(g\) が先に働きます。\(f(g(x))\) と書き直せば、かっこの内側が先だとすぐ分かります。

警告\(f \circ g\) と \(g \circ f\) は、ふつうちがいます

\(f(x) = \dfrac{x}{2}\)、\(g(x) = x+6\) で見ます。

\[ (f \circ g)(x) = f(x+6) = \frac{x+6}{2} \]

\[ (g \circ f)(x) = g\left(\frac{x}{2}\right) = \frac{x}{2} + 6 \]

まったく別の式です。\(x = 2\) を入れると \(4\) と \(7\) で、値もちがいます。

迷ったら、\(f(g(x))\) の形に書き直してください。 かっこがあれば、順番はまちがえません。

例題 1 The functions \(f\) and \(g\) are defined by \(f(x) = 2x + 1\) and \(g(x) = x^{2}\).

(a) Find \((f \circ g)(3)\).

(b) Find an expression for \((f \circ g)(x)\).

(c) Find an expression for \((g \circ f)(x)\).

(d) Find the values of \(x\) for which \((f \circ g)(x) = (g \circ f)(x)\).

(a) 内側の \(g\) が先です(式 1)。

\[ g(3) = 9, \qquad f(9) = 2(9) + 1 = 19 \]

(b) \(f\) の \(x\) のところに、\(g(x) = x^{2}\) を入れます。

\[ (f \circ g)(x) = 2x^{2} + 1 \]

(c) 今度は \(g\) の \(x\) のところに、\(f(x) = 2x+1\) を入れます。

\[ (g \circ f)(x) = (2x+1)^{2} = 4x^{2} + 4x + 1 \]

(d) \(2\) つを等号でつなぎます。

\[ 2x^{2} + 1 = 4x^{2} + 4x + 1 \]

\[ 0 = 2x^{2} + 4x = 2x(x+2) \]

\[ x = 0 \quad \text{または} \quad x = -2 \]

検算((a) について)。 (b) の式を使う、別の道すじでも出します。 \(2(3)^{2} + 1 = 18 + 1 = 19\) ✓ (a) は \(g\) を先に計算し、こちらは合成の式に代入したので、道すじがちがいます。

検算((d) について)。 出した \(2\) 数を、(b)(c) の式ではなく、\(f\) と \(g\) に順に通して確かめます。

\[ x = 0: \quad g(0) = 0, \ f(0) = 1 \qquad \text{および} \qquad f(0) = 1, \ g(1) = 1 \]

\[ x = -2: \quad g(-2) = 4, \ f(4) = 9 \qquad \text{および} \qquad f(-2) = -3, \ g(-3) = 9 \]

どちらも一致しました ✓ (b) と (c) の式に入れるだけでは足りません。 その \(2\) 式から方程式を作ったのですから、\(2\) 式が誤っていても両辺はそろって誤り、一致してしまいます。

\(x = 1\) では一致しません。 \(2(1)+1 = 3\)、\((2+1)^{2} = 9\) です。\(f \circ g\) と \(g \circ f\) が一致するのは、特別な \(x\) のときだけだと分かります。

ノート解答例(答案用紙に書くこと)

(a) \(g(3) = 9\), \(f(9) = 19\) \[(f \circ g)(3) = 19\]

(b) \[(f \circ g)(x) = 2x^{2} + 1\]

(c) \[(g \circ f)(x) = (2x+1)^{2} = 4x^{2}+4x+1\]

(d) \(2x^{2}+1 = 4x^{2}+4x+1\), so \(2x(x+2) = 0\) \[x = 0 \quad \text{or} \quad x = -2\]

3. Domain of a composite function(合成関数の定義域)

\((f \circ g)(x)\) が計算できるためには、\(2\) つの条件が要ります。

  1. \(x\) が \(g\) の domain に入っていること(そうでないと \(g(x)\) が出ません)。
  2. \(g\) の range(\(g\) が出す値 \(g(x)\))が \(f\) の domain に入っていること(そうでないと \(f\) に入れられません)。

\(f(x) = \sqrt{x}\)(domain は \(x \ge 0\))、\(g(x) = 2x - 6\) で見ます。

\[ (f \circ g)(x) = \sqrt{2x-6} \]

\(g\) の domain は実数全体なので、条件 1 は自動的に満たされます。条件 2 は \(g(x) \ge 0\)、つまり \(2x - 6 \ge 0\) で、\(x \ge 3\) です。

ですから \((f \circ g)(x) = \sqrt{2x-6}\) の domain は \(x \ge 3\) です。 式だけを書いて終わりにせず、この \(1\) 文まで書いてください。

警告外側の関数だけを見て決めないでください

「\(f\) の domain が \(x \ge 0\) だから、\(f \circ g\) の domain も \(x \ge 0\)」は誤りです。\(f\) に入るのは \(x\) ではなく \(g(x)\) だからです。

正しくは、\(g(x)\) が \(f\) の domain に入る条件を、\(x\) の条件に書き直します。ここでは \(g(x) \ge 0\) から \(x \ge 3\) です。

できあがった式だけを見て決めてはいけません。 \(f\) の domain がもともと制限されているときは、できあがった式がそれより広い範囲で計算できてしまうことがあります。そのとき答えを決めるのは式ではなく、\(g(x)\) が \(f\) の domain に入る条件のほうです。

例題 2 The functions \(f\) and \(g\) are defined by \(f(x) = \dfrac{1}{x}\), with domain \(x \neq 0\), and \(g(x) = x - 3\), with domain \(x \in \mathbb{R}\).

(a) Find an expression for \((f \circ g)(x)\).

(b) State the domain of \(f \circ g\).

(c) Find an expression for \((g \circ f)(x)\), and state its domain.

(d) A student says that the domain of \(f \circ g\) is \(x \neq 0\), because the domain of \(f\) is \(x \neq 0\). Comment on this statement.

(a) \(f\) の \(x\) のところに、\(g(x) = x-3\) を入れます。

\[ (f \circ g)(x) = \frac{1}{x-3} \]

(b) 分母が \(0\) にならないことが要ります(第 3 節)。

\[ x \neq 3 \]

(c) 今度は \(g\) の \(x\) のところに、\(f(x) = \dfrac{1}{x}\) を入れます。

\[ (g \circ f)(x) = \frac{1}{x} - 3 \]

\(f\) に入れる時点で \(x \neq 0\) が要るので、domain は \(x \neq 0\) です。

(d) Comment on なので、英語で判断とその理由を書きます。

試験ではこう書く

The statement is not correct.

The condition \(x \neq 0\) applies to the input of \(f\), but the input of \(f\) here is \(g(x)\), not \(x\).

What is needed is \(g(x) \neq 0\), that is \(x - 3 \neq 0\), so the domain of \(f \circ g\) is \(x \neq 3\).

The value \(x = 0\) is allowed, since \((f \circ g)(0) = -\dfrac{1}{3}\).

(この発言は正しくない。\(x \neq 0\) という条件は \(f\) の入力についてのものだが、ここで \(f\) に入るのは \(x\) ではなく \(g(x)\) である。必要なのは \(g(x) \neq 0\)、つまり \(x - 3 \neq 0\) なので、\(f \circ g\) の定義域は \(x \neq 3\) である。\(x = 0\) は使ってよく、\((f\circ g)(0) = -\dfrac{1}{3}\) である、という意味です。)

検算((a) について)。 \(f\) と \(g\) に順に通した値と比べます。 \(x = 5\) なら \(g(5) = 2\)、\(f(2) = \dfrac{1}{2}\) です。合成の式でも \(\dfrac{1}{5-3} = \dfrac{1}{2}\) ✓ 合成の式を自分で評価し直すだけでは、(a) の誤りは見つかりません。

検算((b) について)。 \(g(x)\) が \(f\) の domain に入るかを、境目の前後で見ます。 \(x = 4\) なら \(g(4) = 1 \neq 0\) で \(f\) に入れられます ✓ \(x = 2\) なら \(g(2) = -1 \neq 0\) で、これも入れられます ✓ \(x = 3\) では \(g(3) = 0\) となり、\(f\) の domain から外れます ✓

検算((c) について)。 \(2\) 台に順に通した値と、合成の式の値を比べます。 \(x = 2\) とすると、\(f(2) = \dfrac{1}{2}\)、\(g\left(\dfrac{1}{2}\right) = \dfrac{1}{2} - 3 = -\dfrac{5}{2}\) です。合成の式でも \(\dfrac{1}{2} - 3 = -\dfrac{5}{2}\) ✓

(a) と (c) はまったく別の式です。 \(x = 2\) では \((f\circ g)(2) = -1\)、\((g\circ f)(2) = -\dfrac{5}{2}\) で、値もちがいます。

ノート解答例(答案用紙に書くこと)

(a) \[(f \circ g)(x) = \frac{1}{x-3}\]

(b) \[x \neq 3\]

(c) \[(g \circ f)(x) = \frac{1}{x} - 3, \qquad x \neq 0\]

(d) Not correct. The condition applies to the input of \(f\), which is \(g(x)\), so we need \(x - 3 \neq 0\), giving \(x \neq 3\).

4. Finding an inverse function(逆関数 \(f^{-1}(x)\) の式を求める)

SL 2.2 では、\(f^{-1}\) の値を求めました。ここでは式を求めます。手順は \(3\) つです。

表 1: 逆関数の式を求める \(3\) つの手順
手順 すること \(f(x) = 3x-4\) の場合
\(1\) \(y = f(x)\) と書く \(y = 3x - 4\)
\(2\) \(x\) と \(y\) を入れかえる \(x = 3y - 4\)
\(3\) \(y\) について解く \(y = \dfrac{x+4}{3}\)

最後に \(y\) を \(f^{-1}(x)\) と書き直します。

\[ f^{-1}(x) = \frac{x+4}{3} \]

ヒント入れかえは、最初でも最後でもかまいません

\(y = 3x-4\) をそのまま \(x\) について解いて \(x = \dfrac{y+4}{3}\) とし、最後に \(x\) と \(y\) を入れかえて \(y = \dfrac{x+4}{3}\) としても、同じ答えになります。

やりやすいほうで進めてください。ただし、入れかえを \(1\) 回だけ行うことに気をつけてください。\(2\) 回やると、もとに戻ってしまいます。

5. Checking with \(f \circ f^{-1}\)(\(f\) と \(f^{-1}\) を続けると \(x\) に戻る)

逆関数が正しく求められたかを、合成で確かめる方法を見ます。図は、\(x\) を \(f\) に通してから \(f^{-1}\) に通すようすです。

図 2: \(x\) を \(f\) に通し、続けて \(f^{-1}\) に通します。

\(f\) と \(f^{-1}\) を続けて通すと、どちらの順でも \(x\) に戻ります。

\[ f\bigl(f^{-1}(x)\bigr) = x, \qquad f^{-1}\bigl(f(x)\bigr) = x \tag{2}\]

図 2 が、そのようすです。\(f\) を通してから \(f^{-1}\) を通すと、もとの \(x\) に戻ります。 図には描いていませんが、順を入れかえて \(f^{-1}\) → \(f\) としても同じです。

これは、そのまま検算になります。 \(f^{-1}\) の式を求めたら、\(f\bigl(f^{-1}(x)\bigr)\) を計算して \(x\) になるかを見てください(こちらのほうが、たいてい計算が楽です)。

\[ f\left(\frac{x+4}{3}\right) = 3 \cdot \frac{x+4}{3} - 4 = (x+4) - 4 = x \]

\(x\) そのものになりました ✓ \(f^{-1}\) の式が正しければ、必ずこうなります。

警告\(x\) は、それぞれの domain の中の値です

\(f^{-1}\bigl(f(x)\bigr) = x\) が言えるのは、\(x\) が \(f\) の domain に入っているときです。\(f\bigl(f^{-1}(x)\bigr) = x\) のほうは、\(x\) が \(f^{-1}\) の domain(\(=f\) の range)に入っているときです。

たとえば \(f(x) = \sqrt{x+2}\)(domain \(x \ge -2\))の inverse function(逆関数)の式は \(x^{2}-2\) ですが、\(f^{-1}\) の domain は \(x \ge 0\) に制限されます(第 6 節)。

例題 3 The function \(f\) is defined by \(f(x) = 3x - 4\), with domain \(x \in \mathbb{R}\).

(a) Find an expression for \(f^{-1}(x)\).

(b) Show that \(f\bigl(f^{-1}(x)\bigr) = x\).

(c) Find \(f^{-1}(11)\).

(d) Explain why \(f\) has an inverse function.

(a) 表 1 の \(3\) つの手順です。

\[ y = 3x - 4 \ \longrightarrow \ x = 3y - 4 \ \longrightarrow \ 3y = x + 4 \]

\[ f^{-1}(x) = \frac{x+4}{3} \]

(b) Show that なので、途中の式を書きます(式 2)。

\[ f\left(\frac{x+4}{3}\right) = 3 \cdot \frac{x+4}{3} - 4 = (x+4) - 4 = x \]

(c) (a) の式に \(11\) を入れます。

\[ f^{-1}(11) = \frac{11+4}{3} = \frac{15}{3} = 5 \]

(d) Explain why なので、英語で理由を書きます。

試験ではこう書く

The function \(f\) is linear with gradient \(3\), which is not zero, so as \(x\) increases \(f(x)\) always increases.

Two different inputs therefore always give two different outputs, so \(f\) is one-to-one.

A one-to-one function has an inverse, so \(f^{-1}\) exists.

(\(f\) は gradient(傾き) \(3\) の \(1\) 次関数で、傾きは \(0\) でないので、\(x\) が増えれば \(f(x)\) はつねに増える。したがってちがう \(2\) つの入力からは必ずちがう出力が出るので、\(f\) は \(1\) 対 \(1\) である。\(1\) 対 \(1\) の関数は逆関数をもつので、\(f^{-1}\) は存在する、という意味です。)

検算((c) について)。 \(f\) に入れ直します。 \(f(5) = 15 - 4 = 11\) ✓ 逆関数の値は、もとの関数に入れて確かめます。

検算((a) について)。 (b) とは逆の順でも見ます。

\[ f^{-1}\bigl(f(x)\bigr) = \frac{(3x-4)+4}{3} = \frac{3x}{3} = x \]

\(2\) つの順のどちらでも \(x\) になりました ✓

\(y\) について解いたあと、\(y\) にもとの \(3x-4\) を入れ直して \(\dfrac{3x-4+4}{3}\) と書いてしまったら、それは \(f^{-1}\bigl(f(x)\bigr)\) を計算しただけです。出てきた \(x\) は、逆関数の式ではありません。 \(f^{-1}(x)\) は、\(x\) だけの式でなければなりません。

合成して確かめること自体は、有効な検算です。 候補が誤っていれば、合成しても \(x\) にはもどりません。たとえば \(g(x) = \dfrac{x-4}{3}\) を候補にすると、\(g\bigl(f(x)\bigr) = \dfrac{(3x-4)-4}{3} = x - \dfrac{8}{3}\) となり、\(x\) とちがうことがすぐ分かります。一般には、合成が \(x\) になる範囲(domain(定義域))もあわせて確かめます。

ノート解答例(答案用紙に書くこと)

(a) \(y = 3x-4\), \(x = 3y-4\), \(3y = x+4\) \[f^{-1}(x) = \frac{x+4}{3}\]

(b) \[f\left(\frac{x+4}{3}\right) = 3 \cdot \frac{x+4}{3} - 4 = x\]

(c) \[f^{-1}(11) = \frac{15}{3} = 5\]

(d) \(f\) is linear with non-zero gradient, so it is one-to-one and an inverse exists.

6. Domain and range of \(f^{-1}\)(逆関数の定義域と値域)

SL 2.2で見たとおり、そっくり入れかわります。 第 5 節で出てきた \(f(x) = \sqrt{x+2}\) で見ます。逆関数の式は \(x^{2}-2\) です。

表 2: domain と range の入れかわり
\(f(x) = \sqrt{x+2}\) \(f^{-1}(x) = x^{2}-2\)
domain \(x \ge -2\) \(x \ge 0\)
range \(f(x) \ge 0\) \(f^{-1}(x) \ge -2\)

\(f\) の domain(\(x \ge -2\))が、\(f^{-1}\) の range になっています。 \(f\) の range (\(0\) 以上)が、\(f^{-1}\) の domain です。上下・左右にたすきがけで入れかわると 見てください。

\(x^{2}-2\) という式だけを見ると、\(x\) にどんな実数でも入れられます。 それでも \(f^{-1}\) の domain が \(x \ge 0\) に制限されるのは、\(f\) が \(0\) 以上の値しか出さない からです。

式を求めただけでは終わりではありません。 できた式が、もっと広い範囲で定義できてしまうことがあるからです。

そのときは、\(f\) の range を先に出し、それをそのまま \(f^{-1}\) の domain として書きます。 実際の例は、このあとの例題 4 で見ます。

TI-Nspire の Calculator 画面で Define f1(x)=3x-4 と Define f2(x)=(x+4)/3 のように \(2\) つ定義しておくと、f1(f2(7)) と打つだけで合成の値が出ます。いくつかの値で試して、いつも入れた数がそのまま返ってくるかを見てください。 \(1\) つの値で合っただけでは、正しいことの証明にはなりません。

Graphs 画面に両方を入れて、y = x も一緒に表示すると、\(y = x\) について対称であることが目で見えます。menu → Window/Zoom → Zoom Square で目盛りをそろえてください。

Paper 1 では使えません。 このページの例題と演習は、すべて手で解ける形にしてあります。

例題 4 The function \(f\) is defined by \(f(x) = \sqrt{x-1}\), with domain \(x \ge 1\).

(a) Write down the range of \(f\).

(b) Find an expression for \(f^{-1}(x)\).

(c) State the domain of \(f^{-1}\).

(d) Explain why the domain of \(f^{-1}\) must be restricted, even though the expression found in part (b) is defined for every real number.

(a) 根号の値は負になりません。\(x = 1\) で \(0\) が出て、\(x\) を大きくすればいくらでも大きくなります。

\[ f(x) \ge 0 \]

(b) 表 1 の \(3\) つの手順です。

\[ y = \sqrt{x-1} \ \longrightarrow \ x = \sqrt{y-1} \]

両辺を \(2\) 乗します。このとき \(x \ge 0\) を忘れないでください。 \(x^{2} = y-1\) から \(x = \sqrt{y-1}\) に戻れるのは \(x \ge 0\) のときだけで、この \(x\) はもとの \(f\) の出力なので \(x \ge 0\) です。この条件が、あとで (c) の答えになります。

\[ x^{2} = y - 1 \ \Rightarrow \ y = x^{2} + 1 \]

\[ f^{-1}(x) = x^{2} + 1 \]

(c) \(f^{-1}\) の domain は \(f\) の range です(表 2)。(a) より

\[ x \ge 0 \]

(d) Explain why なので、英語で理由を書きます。

試験ではこう書く

The inverse function must undo \(f\), so it can only accept values that \(f\) actually produces.

The range of \(f\) is \(f(x) \ge 0\), so the domain of \(f^{-1}\) is \(x \ge 0\).

Without this restriction the rule \(x^{2}+1\) would not be one-to-one: for example it sends both \(2\) and \(-2\) to \(5\), so it could not be an inverse function.

(逆関数は \(f\) をもとに戻すものなので、\(f\) が実際に出す値しか受け取れない。\(f\) の range(値域)は \(f(x) \ge 0\) なので、\(f^{-1}\) の定義域は \(x \ge 0\) である。この制限がないと \(x^{2}+1\) という規則は \(1\) 対 \(1\) にならない。たとえば \(2\) と \(-2\) の両方が \(5\) に移るので、逆関数にはなれない、という意味です。)

検算((b) について)。 \(f\) に入れ直します。 \(x \ge 0\) のとき

\[ f\bigl(x^{2}+1\bigr) = \sqrt{(x^{2}+1)-1} = \sqrt{x^{2}} = x \]

\(x\) に戻りました ✓

\(\sqrt{x^{2}} = x\) と書けるのは \(x \ge 0\) のときだけです。\(x = -2\) なら \(\sqrt{4} = 2\) で、\(-2\) には戻りません。ここでも (c) の制限がはたらいています。

検算((c) について)。 制限の外側で、往復が壊れることを見ます。 \(x = -1\) を \(x^{2}+1\) に入れると \(2\) が出ますが、\(f(2) = \sqrt{1} = 1\) で、\(-1\) には戻りません ✓ \(-1\) は \(f\) が出さない値なので、\(f^{-1}\) には入れられません。

端の \(x = 0\) では、きちんと往復します。 \(f^{-1}(0) = 1\)、\(f(1) = \sqrt{0} = 0\) ✓ また \(f(5) = 2\) に対して \(f^{-1}(2) = 5\) ✓

ノート解答例(答案用紙に書くこと)

(a) \[f(x) \ge 0\]

(b) \(x = \sqrt{y-1}\), \(x^{2} = y-1\) \[f^{-1}(x) = x^{2}+1\]

(c) \[x \ge 0\]

(d) The domain of \(f^{-1}\) is the range of \(f\), which is \(x \ge 0\). Without the restriction \(x^{2}+1\) is not one-to-one, since \(2\) and \(-2\) both give \(5\).

Why it works

なぜ、\(x\) と \(y\) を入れかえると逆関数になるのでしょうか。

\(y = f(x)\) という式は、「\(x\) を入れたら \(y\) が出る」という関係を表しています。\(f\) が one-to-one なら、\(f\) が出した \(y\) から、もとの \(x\) がただ \(1\) つに決まります。それが \(f^{-1}(y)\) です。

つまり、\(x\) が \(f\) の domain に、\(y\) が \(f\) の range にあるとき

\[ y = f(x) \quad \Longleftrightarrow \quad x = f^{-1}(y) \]

が成り立ちます。逆関数は、この関係を逆向きに読んだものです。ここまでは、\(x\) が入力、\(y\) が出力のままです。

ところが、関数の式はふつう「入力を \(x\)、出力を \(y\)」と書く約束になっています。\(x = f^{-1}(y)\) は、その約束と文字の役割が逆です。そこで文字の名前だけを取りかえて、\(y = f^{-1}(x)\) と書き直します。

入れかえているのは関係ではなく、文字の名前です。 だから \(1\) 回だけでよいのです。

なぜ、\(f \circ g\) と \(g \circ f\) はふつうちがうのでしょうか。

「\(3\) 倍する」と「\(2\) を足す」で考えてみてください。\(4\) から始めると、

  • \(3\) 倍してから \(2\) 足す → \(12 + 2 = 14\)
  • \(2\) 足してから \(3\) 倍する → \(6 \times 3 = 18\)

順番を変えると、足した \(2\) まで \(3\) 倍されてしまいます。 日常の動作でも同じです。「靴下をはく」と「靴をはく」は、順番を変えると結果がまったくちがいます。

ただし、いつもちがうわけではありません。 ある \(x\) では、たまたま同じ値になることがあります(例題 1 の (d))。また、\(g\) が \(f\) の逆関数のときは、どちらの順でも \(x\) そのものになります(式 2)。

なぜ、\(f^{-1}\) の domain は \(f\) の range なのでしょうか。 \(f^{-1}\) に入れられるのは、\(f\) から実際に出てきた値だけだからです。\(f\) が出さない値を \(f^{-1}\) に入れても、「どこから来たか」がありません。\(f\) が出す値の全体が range ですから、それがそのまま \(f^{-1}\) の domain になります。

Common errors

警告\(f \circ g\) の順番を逆にする

\((f \circ g)(x) = f(g(x))\) で、\(g\) が先です(式 1)。

\(f(g(x))\) の形に書き直してから代入してください。 かっこの内側が先だと、目で見て分かります。

警告\(f \circ g\) を \(f \times g\) と読む

\(\circ\) はかけ算の記号ではありません(第 2 節)。

\(f(x) = 3x\)、\(g(x) = x+2\) なら、\((f \circ g)(x) = 3x+6\) ですが、\(f(x)g(x) = 3x(x+2) = 3x^{2}+6x\) です。

警告逆関数を求めるとき、入れかえを忘れる(または \(2\) 回する)

入れかえは \(1\) 回だけです(表 1)。

\(2\) 回すると、もとの \(f\) に戻ってしまいます。求めた式を \(f\) に入れて \(x\) になるかを、必ず確かめてください(式 2)。

警告合成関数の domain を、外側の関数だけで決める

\(f\) に入るのは \(x\) ではなく \(g(x)\) です(第 3 節)。

\(g(x)\) が \(f\) の domain に入る条件を、\(x\) の条件に書き直してください。 できあがった式の分母や根号を見るだけで済むのは、\(f\) の domain がその式の条件とたまたま一致するときだけです。

警告\(f^{-1}\) の domain を書き忘れる

式が求まっても、それだけでは足りないことがあります(第 6 節)。

\(f^{-1}\) の domain は \(f\) の range です。\(f\) の range を先に出しておくと、そのまま使えます。

警告\(f^{-1}\) を求めたのに、検算しない

\(f\bigl(f^{-1}(x)\bigr)\) を計算して \(x\) になるかを見れば、符号や割り算のまちがいはほぼ見つかります(式 2)。

\(1\) 行で終わる検算なので、必ずしてください。ただし、この検算では domain の書き忘れは見つかりません。 domain は別に確かめてください。

Exercises

1 The functions \(f\) and \(g\) are defined by \(f(x) = x + 4\) and \(g(x) = 3x\). Find \((f \circ g)(2)\).

\(g(2) = 6\)

\[(f \circ g)(2) = f(6) = 10\]

内側の \(g\) が先です(式 1)。

検算。 それぞれの機械が何をするかに戻ります。 \(g\) は「\(3\) 倍する」、\(f\) は「\(4\) を足す」です。\((f \circ g)(2)\) は「\(2\) を \(3\) 倍してから \(4\) を足す」なので、\(6\) のあとに \(10\) ✓

\((g \circ f)(2)\) と取りちがえていたら、先に \(4\) を足して \(6\)、それを \(3\) 倍することになり、\(10\) とはちがう値が出ます。

2 The functions \(f\) and \(g\) are defined by \(f(x) = x + 4\) and \(g(x) = 3x\).

(a) Find an expression for \((f \circ g)(x)\).

(b) Find an expression for \((g \circ f)(x)\).

(a) \[(f \circ g)(x) = 3x + 4\]

(b) \[(g \circ f)(x) = 3(x+4) = 3x + 12\]

(b) では、\(x+4\) 全体が \(3\) 倍されます。かっこを落とさないでください。

検算。 数を \(1\) つ入れて、\(2\) 台に順に通した値と比べます。 \(x = 1\) とすると

(a) \(g(1) = 3\)、\(f(3) = 7\)。式では \(3 + 4 = 7\) ✓

(b) \(f(1) = 5\)、\(g(5) = 15\)。式では \(3 + 12 = 15\) ✓

\(2\) つの式がちがうことも見えます。 \(x = 1\) で \(7\) と \(15\) です。

3 The function \(f\) is defined by \(f(x) = 5x - 2\). Find an expression for \(f^{-1}(x)\).

\(y = 5x - 2\), so \(x = 5y - 2\)

\(5y = x + 2\)

\[f^{-1}(x) = \frac{x+2}{5}\]

表 1 の \(3\) つの手順です。

検算。 \(f\) に入れ直します(式 2)。

\[ f\left(\frac{x+2}{5}\right) = 5 \cdot \frac{x+2}{5} - 2 = (x+2) - 2 = x \]

\(x\) になりました ✓

\(\dfrac{x-2}{5}\) としていたら(符号のまちがい)、\(f\) に入れると \(x - 2 - 2 = x - 4\) となり、\(x\) になりません。

4 The function \(f\) is defined by \(f(x) = \dfrac{x}{4} + 3\). Find an expression for \(f^{-1}(x)\).

\(y = \dfrac{x}{4} + 3\), so \(x = \dfrac{y}{4} + 3\)

\(\dfrac{y}{4} = x - 3\)

\[f^{-1}(x) = 4(x-3) = 4x - 12\]

先に \(3\) を引いてから、\(4\) 倍します。 \(f\) が「\(4\) で割ってから \(3\) を足す」なので、逆は「\(3\) を引いてから \(4\) 倍する」です。逆向きの順で、逆の操作をします。

検算。 \(f\) に入れ直します。

\[ f(4x-12) = \frac{4x-12}{4} + 3 = (x-3) + 3 = x \]

\(x\) になりました ✓

\(4x - 3\) としていたら(\(4\) 倍を先にした誤り)、\(f\) に入れると \(\dfrac{4x-3}{4} + 3 = x - \dfrac{3}{4} + 3\) となり、\(x\) にはなりません。

5 The function \(f\) is defined by \(f(x) = 2x + 7\). Find \(f^{-1}(3)\).

\(2x + 7 = 3\)

\[f^{-1}(3) = -2\]

値を \(1\) つ求めるだけなら、式を作る必要はありません(SL 2.2)。\(f(x) = 3\) を解けば済みます。

検算。 \(f\) に入れ直します。 \(f(-2) = -4 + 7 = 3\) ✓

式を作ってからでも同じです。 \(f^{-1}(x) = \dfrac{x-7}{2}\) なので、\(x = 3\) で \(\dfrac{-4}{2} = -2\) ✓ \(2\) つの道すじで同じ値になりました。

6 The functions \(f\) and \(g\) are defined by \(f(x) = x^{2}\), with domain \(x \ge 0\), and \(g(x) = x + 5\).

(a) Find an expression for \((f \circ g)(x)\).

(b) State the domain of \(f \circ g\).

(a) \[(f \circ g)(x) = (x+5)^{2}\]

(b) \(g(x) \ge 0\), so \(x + 5 \ge 0\) \[x \ge -5\]

\(f\) に入るのは \(g(x) = x+5\) です(第 3 節)。\(f\) の domain が \(x \ge 0\) なので、\(x + 5 \ge 0\) が要ります。

検算。 境目の外側で、条件が破れることを見ます。 \(x = -6\) とすると \(g(-6) = -1\) で、これは \(f\) の domain \(x \ge 0\) に入っていません ✓ 境目の \(x = -5\) では \(g(-5) = 0\) で、\(f\) に入れられます ✓

「\(x \ge 0\)」としていたら、外側の domain をそのまま書いています。\(x = -1\) とすると \(g(-1) = 4\) で、\(f\) に問題なく入れられます。\(x \ge 0\) では狭すぎます。

7 The functions \(f\) and \(g\) are defined by \(f(x) = \sqrt{x}\) and \(g(x) = x - 9\). Find an expression for \((f \circ g)(x)\) and state its domain.

\[(f \circ g)(x) = \sqrt{x-9}\]

\(x - 9 \ge 0\), so

\[x \ge 9\]

根号の中が \(0\) 以上、という条件です(第 3 節)。

検算。 境目の外側で、値が出ないことを見ます。 \(x = 8\) なら \(\sqrt{-1}\) で、実数の値をもちません ✓ 境目の \(x = 9\) では \(\sqrt{0} = 0\) ✓ \(x = 13\) なら \(\sqrt{4} = 2\) ✓

\((g \circ f)(x) = \sqrt{x} - 9\) とは別のものです。こちらの domain は \(x \ge 0\) で、範囲がちがいます。

8 The function \(f\) is defined by \(f(x) = \dfrac{2}{x-1}\), with domain \(x \neq 1\). Find an expression for \(f^{-1}(x)\).

\(y = \dfrac{2}{x-1}\), so \(x = \dfrac{2}{y-1}\)

\(x(y-1) = 2\), so \(y - 1 = \dfrac{2}{x}\)

\[f^{-1}(x) = \frac{2}{x} + 1\]

入れかえたあと、両辺に \(y-1\) を掛けてから \(x\) で割ります(表 1)。

検算。 \(f\) に入れ直します(式 2)。\(f^{-1}(x) - 1 = \dfrac{2}{x}\) なので

\[ f\left(\frac{2}{x}+1\right) = \frac{2}{\left(\frac{2}{x}+1\right)-1} = \frac{2}{\frac{2}{x}} = x \]

\(x\) になりました ✓

具体的な値でも往復します。 \(f(3) = \dfrac{2}{2} = 1\) なので、\(f^{-1}(1) = \dfrac{2}{1} + 1 = 3\) ✓ もとの \(3\) に戻りました。

9 Explain why \((f \circ g)(x)\) and \((g \circ f)(x)\) are usually different, using the functions \(f(x) = 2x\) and \(g(x) = x + 1\) as an example.

\((f \circ g)(x) = 2(x+1) = 2x+2\), but \((g \circ f)(x) = 2x+1\). Doubling after adding \(1\) also doubles the \(1\), while adding \(1\) after doubling does not, so the order in which the functions act changes the result.

Explain why なので、具体例を計算してから、なぜちがうのかを言葉で述べます。

検算。 数を \(1\) つ入れて、\(2\) つの値がちがうことを確かめます。 \(x = 3\) とすると、\((f \circ g)(3) = 2(4) = 8\)、\((g \circ f)(3) = 6 + 1 = 7\) ✓ たしかにちがいます。

「順番が大事だから」だけでは、理由になりません。 なぜ順番で変わるのかを書いてください。「あとから \(2\) 倍すると、足した \(1\) まで \(2\) 倍される」が理由です。

いつもちがう、とは言い切れません。 この \(f\)、\(g\) では \(2x+2 = 2x+1\) に解がないので、どの \(x\) でも一致しません。しかし関数によっては、ある \(x\) で一致することがあります(例題 1 の (d) では \(x = 0\) と \(x = -2\) で一致しました)。usually と書かれているのは、そのためです。

試験ではこう書く

With \(f(x) = 2x\) and \(g(x) = x+1\) we get \((f \circ g)(x) = f(x+1) = 2(x+1) = 2x+2\), while \((g \circ f)(x) = g(2x) = 2x+1\).

These are different expressions.

Doubling after adding \(1\) doubles the \(1\) as well, but adding \(1\) after doubling does not, so changing the order changes the result.

10 The functions \(f\) and \(g\) are defined by \(f(x) = x^{2}\) and \(g(x) = x + 3\). A student is asked to find \((f \circ g)(x)\), and writes

\[ (f \circ g)(x) = x^{2} + 3 \]

Identify the error in the student’s work, and write down the correct expression.

The student applied \(f\) first and then added \(3\). In \((f \circ g)(x)\) the inner function \(g\) acts first, so the whole of \(x+3\) must be squared.

\[(f \circ g)(x) = (x+3)^{2}\]

Identify the error なので、どこが違うのかを名指ししてから、正しい式を書きます。

生徒が書いた \(x^{2}+3\) は、実は \((g \circ f)(x)\) です。順番を逆にしています(式 1)。

検算。 数を \(1\) つ入れて比べます。 \(x = 1\) とすると、正しくは \(g(1) = 4\)、\(f(4) = 16\) です。生徒の式では \(1 + 3 = 4\) となり、合いません ✓

展開した形でも見えます。 \((x+3)^{2} = x^{2} + 6x + 9\) で、\(x^{2}+3\) との差は \(6x + 6\) です。この差が \(0\) になるのは \(x = -1\) のときだけなので、\(x = -1\) で確かめると、まちがった式でも一致してしまいます(どちらも \(4\))。確かめに使う値は、\(-1\) 以外を選んでください。

試験ではこう書く

The student squared \(x\) first and then added \(3\), which gives \((g \circ f)(x)\).

In \((f \circ g)(x)\) the inner function \(g\) acts first, so its output \(x+3\) is the input of \(f\) and the whole bracket must be squared.

The correct expression is \((f \circ g)(x) = (x+3)^{2}\).