SL 2.6 — The quadratic function and its three forms(2 次関数の 3 つの形)

ノートWhat you should be able to do
  • quadratic function(\(2\) 次関数)の\(3\) つの形を見分けられる。
  • \(f(x) = ax^{2}+bx+c\) から \(y\) 切片 \((0,c)\) と、対称の軸 \(x = -\dfrac{b}{2a}\) を読める。
  • \(f(x) = a(x-p)(x-q)\) から \(x\) 切片 \((p,0)\)、\((q,0)\) を読める。
  • \(f(x) = a(x-h)^{2}+k\) から 頂点 \((h,k)\) を読める。
  • \(3\) つの形を行き来できる(展開・因数分解・平方完成)。
  • \(a\) の符号と大きさが、グラフの形をどう決めるかを言える。
  • 与えられた情報から、\(2\) 次関数の式を組み立てられる。

The idea

1. Three forms of a quadratic(\(2\) 次関数の \(3\) つの書き方)

\(2\) 次関数の式には、よく使う書き方が \(3\) つあります。図は、同じ放物線を \(3\) 通りの式で書いたものです。

図 1: 同じ放物線を、\(3\) 通りの式で書きました。

quadratic function(\(2\) 次関数)とは、\(x\) の \(2\) 乗までを使って書ける関数のことです。グラフは parabola(放物線)と呼ばれます。

同じ \(1\) つの放物線を、ちがう形に書き直せます。 どれも同じ関数ですが、すぐ読み取れる特徴がちがいます。

ただし、factorised form に書けるのは \(x\) 切片をもつ放物線だけです(第 3 節)。standard form と vertex form は、どの \(2\) 次関数でも必ず書けます。

表 1: \(3\) つの形と、それぞれが見せてくれるもの
形 英語名 すぐ読めるもの
\(f(x) = ax^{2}+bx+c\) standard form(一般形) \(y\)-intercept(\(y\) 切片)\((0, c)\)
\(f(x) = a(x-p)(x-q)\) factorised form(因数分解した形) \(x\)-intercepts(\(x\) 切片)\((p,0)\)、\((q,0)\)
\(f(x) = a(x-h)^{2}+k\) vertex form(頂点形) 頂点 \((h, k)\)

図 1 が、そのようすです。どの形を選ぶかは、何が知りたいかで決めます。

警告\(a \neq 0\) です

\(a = 0\) にすると \(bx + c\) という \(1\) 次式になり、グラフは直線です(SL 2.1)。\(2\) 次関数ではありません。

\(3\) つの形のどれでも、\(a\) は同じ数です。因数分解した形の \(a\) を書き忘れると、別の放物線になってしまいます(第 3 節)。

2. Standard form and the axis of symmetry(一般形と対称の軸)

かっこを使わずに、展開した形で書いた \(2\) 次関数を standard form(一般形)といいます。次の形です。

\[ f(x) = ax^{2} + bx + c, \qquad a \neq 0 \tag{1}\]

\(a\) は \(0\) であってはいけません。 \(a = 0\) だと \(x^{2}\) の項が消えて \(bx + c\) になり、グラフは放物線ではなく直線になってしまいます。

式 1 に \(x = 0\) を入れると \(f(0) = c\) なので、\(y\) 切片は \((0, c)\) です。\(c\) を見るだけで分かります。

放物線は、ある縦の直線について左右対称です。この直線を axis of symmetry(対称の軸)といい、次の式で求められます。

\[ x = -\frac{b}{2a} \tag{2}\]

重要この式は公式集にあります

公式集の 2.6 の欄に Axis of symmetry of the graph of a quadratic function として印刷されています。

\(f(x) = ax^{2} + bx + c \Rightarrow\) axis of symmetry is \(x = -\dfrac{b}{2a}\)

覚える必要はありません。 ただし、\(b\) の符号を落とさないように気をつけてください。

軸が求まれば、その \(x\) を \(f\) に入れるだけで頂点の \(y\) 座標が出ます。

3. Factorised form and \(x\)-intercepts(因数分解した形と \(x\) 切片)

\(2\) 次関数の書き方は \(1\) つではありません。かけ算の形に書いたものを factorised form(因数分解した形)といいます。この形では、グラフが \(x\) 軸と交わる場所が、そのまま読めます。

図 2: 因数分解した形と、対称軸です。

\[ f(x) = a(x-p)(x-q) \tag{3}\]

\(x = p\) でも \(x = q\) でも、かっこのどちらかが \(0\) になるので \(f(x) = 0\) です。ですから \(x\) 切片は \((p, 0)\) と \((q, 0)\) です(図 2)。\(p\) と \(q\) が同じ数のときは、\(x\) 切片は \(1\) つだけで、そこが頂点になります。

すべての \(2\) 次関数が、この形に書けるわけではありません。 \(x\) 切片をもたない放物線(グラフが \(x\) 軸とまったく交わらないもの)は、実数の \(p\)、\(q\) では書けません。そのような放物線は、例題 4 と演習で扱います。

対称の軸は、\(2\) つの \(x\) 切片のまん中です(図 2、SL 2.4)。

\[ x = \frac{p+q}{2} \tag{4}\]

警告\(x\) 切片だけでは、式は決まりません

\(x\) 切片が \((2,0)\) と \((6,0)\) の放物線は、\(1\) つではありません。\(a\) の値だけ、いくらでもあります。

\((x-2)(x-6)\)、\(3(x-2)(x-6)\)、\(-\dfrac{1}{2}(x-2)(x-6)\) …… どれも \(x = 2\) と \(x = 6\) でかっこが \(0\) になるので、\(x\) 切片は同じです。ちがうのは開き方だけです(\(a\) が形に影響するようすは 図 3)。

\(a\) を決めるには、もう \(1\) 点が要ります(第 7 節)。

4. Vertex form and the vertex(頂点形と頂点)

頂点がそのまま読める書き方を vertex form(頂点形)といいます。次の形です。

\[ f(x) = a(x-h)^{2} + k \tag{5}\]

\((x-h)^{2}\) は \(0\) 以上で、\(x = h\) のときだけ \(0\) になります。ですから

  • \(a > 0\) なら、\(x = h\) でいちばん小さくなり、そのときの値は \(k\)。
  • \(a < 0\) なら、\(x = h\) でいちばん大きくなり、そのときの値は \(k\)。

どちらの場合も、頂点は \((h, k)\)、対称の軸は \(x = h\) です。

警告\(h\) の符号に気をつけてください

式は \((x - h)^{2}\) です。\((x + 6)^{2} - 1\) と書いてあったら、\(h = -6\) で、頂点は \((-6, -1)\) です。

\((x+6)\) を見て \(h = 6\) としないでください。\(x\) 切片のときと同じで、引き算の形に直してから読むのが確実です。

5. Changing between the forms(形の書きかえ)

\(3\) つの形は、計算で互いに書きかえられます。どの操作を使うかは、次の表のとおりです。

表 2: 形の変えかた
行き先 使う操作
vertex form → standard form 展開する
factorised form → standard form 展開する
standard form → factorised form 因数分解する(\(x\) 切片をもつときだけ)
standard form → vertex form completing the square(平方完成)をする
factorised form ↔︎ vertex form いったん standard form を経由する

平方完成を、\(g(x) = x^{2}+10x+3\) で見ます。

\(x^{2}+10x\) は、\((x+5)^{2} = x^{2}+10x+25\) の一部です。\(25\) が余分なので、引いておきます。

\[ x^{2}+10x+3 = \bigl(x^{2}+10x+25\bigr) - 25 + 3 = (x+5)^{2} - 22 \]

\(x\) の係数の半分(ここでは \(5\))が、かっこの中の数になります。

ヒント\(a \neq 1\) のときは、先にくくり出します

\(3x^{2}+12x+5\) なら、まず \(x^{2}\) と \(x\) の項から \(3\) をくくり出します。

\[ 3\bigl(x^{2}+4x\bigr) + 5 = 3\bigl((x+2)^{2}-4\bigr) + 5 = 3(x+2)^{2} - 12 + 5 = 3(x+2)^{2} - 7 \]

かっこの外に出すとき、\(-4\) も \(3\) 倍されることを忘れないでください。

例題 1 The function \(f\) is defined by \(f(x) = x^{2} + 8x + 11\).

(a) Write down the coordinates of the \(y\)-intercept.

(b) Find the equation of the axis of symmetry.

(c) Write \(f(x)\) in the form \(a(x-h)^{2} + k\).

(d) Write down the minimum value of \(f\).

(a) standard form なので、定数項がそのまま \(y\) 切片です(表 1)。

\[ (0, \ 11) \]

(b) 式 2 に \(a = 1\)、\(b = 8\) を入れます。

\[ x = -\frac{8}{2(1)} = -4 \]

(c) 平方完成します(第 5 節)。\(x\) の係数 \(8\) の半分は \(4\) です。

\[ x^{2}+8x+11 = (x+4)^{2} - 16 + 11 = (x+4)^{2} - 5 \]

(d) vertex form から、頂点は \((-4, -5)\) です。\(a = 1 > 0\) なので下に凸で、頂点が最小です。

\[ -5 \]

検算((c) について)。 展開して、もとの式に戻るかを見ます。

\[ (x+4)^{2} - 5 = x^{2} + 8x + 16 - 5 = x^{2} + 8x + 11 \]

もとの式と一致しました ✓ 平方完成のあとは、必ず展開して戻してください。

検算((b) と (c) について)。 (b) で求めた軸 \(x = -4\) と、(c) の vertex form の \(h = -4\) が一致しています ✓ ちがう \(2\) つの方法で、同じ値が出ました。

検算((d) について)。 軸から左右に同じだけ離れた点で、値が等しく、しかも \(-5\) より大きいことを見ます。 \(f(-3) = 9 - 24 + 11 = -4\)、\(f(-5) = 25 - 40 + 11 = -4\) ✓ どちらも \(-5\) より大きい ✓ 下に凸の放物線では、軸上にある点(頂点)がいちばん低いので、\(-5\) が最小値です ✓

(b) で符号を落として \(x = 4\) としていたら、\(f(4) = 16+32+11 = 59\) で、\(f(-4) = -5\) よりずっと大きくなります。下に凸の放物線の頂点にはなりません。

ノート解答例(答案用紙に書くこと)

(a) \[(0, \ 11)\]

(b) \(x = -\dfrac{8}{2(1)}\) \[x = -4\]

(c) \[f(x) = (x+4)^{2} - 5\]

(d) \[-5\]

例題 2 The function \(f\) is defined by \(f(x) = 2x^{2} + 4x - 6\).

(a) Write \(f(x)\) in the form \(a(x-p)(x-q)\).

(b) Write down the coordinates of the \(x\)-intercepts.

(c) Find the equation of the axis of symmetry.

(d) Find the coordinates of the vertex.

(a) まず共通因数の \(2\) をくくり出します。

\[ 2x^{2}+4x-6 = 2\bigl(x^{2}+2x-3\bigr) = 2(x+3)(x-1) \]

(b) かっこが \(0\) になる \(x\) です(式 3)。\(x = -3\) と \(x = 1\) なので、

\[ (-3, \ 0) \quad \text{と} \quad (1, \ 0) \]

(c) \(2\) つの \(x\) 切片のまん中です(式 4)。

\[ x = \frac{-3+1}{2} = -1 \]

(d) \(x = -1\) を、もとの式に入れます。

\[ f(-1) = 2 - 4 - 6 = -8 \]

頂点は \((-1, -8)\) です。

検算((a) について)。 展開して、もとの式に戻るかを見ます。 \(2(x+3)(x-1) = 2(x^{2}+2x-3) = 2x^{2}+4x-6\) ✓

検算((c) について)。 式 2 でも出します。 \(a = 2\)、\(b = 4\) なので

\[ x = -\frac{4}{2(2)} = -1 \]

一致しました ✓ 因数分解した形と standard form の、ちがう \(2\) つの道すじです。

検算((d) について)。 因数分解した形にも入れます。 \(f(-1) = 2(-1+3)(-1-1) = 2(2)(-2) = -8\) ✓ ちがう形の式で、同じ値になりました。

(a) で \(2\) を書き忘れて \((x+3)(x-1)\) としていたら、\(x\) 切片は同じですが、頂点は \((-1,-4)\) になってしまいます。\(x = 0\) を入れると \(-3\) で、もとの式の \(-6\) と合いません。

ノート解答例(答案用紙に書くこと)

(a) \(2(x^{2}+2x-3)\) \[f(x) = 2(x+3)(x-1)\]

(b) \[(-3, \ 0) \quad \text{and} \quad (1, \ 0)\]

(c) \(x = \dfrac{-3+1}{2}\) \[x = -1\]

(d) \(f(-1) = 2-4-6\) \[(-1, \ -8)\]

6. The sign and size of \(a\)(\(a\) の符号と大きさ)

図は、\(a\) の符号と大きさを変えたときの放物線を並べたものです。

図 3: \(a\) の符号と大きさが、放物線をどう変えるかを示しています。

\(x^{2}\) の係数 \(a\) は、放物線の向き(上に開くか下に開くか)と、開き方を決めます。図 3 のとおりです。

表 3: \(a\) が決めるもの
\(a\) グラフ 図
\(a > 0\) 下に凸(\(\cup\) の形)。頂点が最小 図 3
\(a < 0\) 上に凸(\(\cap\) の形)。頂点が最大 図 3
\(\lvert a \rvert\) が大きい 細い(急に立ち上がる) 図 3
\(\lvert a \rvert\) が小さい 広い(ゆるやか) 図 3

「細い」「広い」は、比べたときの言い方です。 図 3 のように、頂点をそろえて並べたとき、\(\lvert a \rvert\) が大きいほうが細くなります。\(y = x^{2}\) を目安にすると、\(\lvert a \rvert > 1\) なら細く、\(0 < \lvert a \rvert < 1\) なら広くなります。

vertex form \(a(x-h)^{2}+k\) で見れば、\(a\) は開き方だけを決め、頂点の位置は \(h\) と \(k\) が決めます。 ただし standard form で \(b\) と \(c\) をそのままにして \(a\) だけを変えると、軸 \(x = -\dfrac{b}{2a}\) も動くので、頂点の位置も変わります。「\(a\) は開き方だけ」と言えるのは、頂点をそろえて比べたときです。

例題 3 The function \(f\) is defined by \(f(x) = -x^{2} - 4x + 5\).

(a) Write \(f(x)\) in the form \(a(x-p)(x-q)\).

(b) Write down the coordinates of the \(x\)-intercepts.

(c) Find the coordinates of the vertex.

(d) A student says that because the graph has a maximum point, \(f\) has no minimum value. Comment on this statement.

(a) \(-1\) をくくり出してから因数分解します。

\[ -x^{2}-4x+5 = -\bigl(x^{2}+4x-5\bigr) = -(x+5)(x-1) \]

(b) \(x = -5\) と \(x = 1\) です。

\[ (-5, \ 0) \quad \text{と} \quad (1, \ 0) \]

(c) 軸は \(2\) つの \(x\) 切片のまん中です。

\[ x = \frac{-5+1}{2} = -2, \qquad f(-2) = -4 + 8 + 5 = 9 \]

頂点は \((-2, 9)\) です。\(a = -1 < 0\) なので上に凸で、この点が最大です。

(d) Comment on なので、英語で判断とその理由を書きます。

試験ではこう書く

The conclusion is right but the reason given is not.

Having a maximum point does not by itself rule out a minimum value: on a closed interval a function can have both.

What matters here is that \(a = -1 < 0\) and the domain is all real numbers, so the parabola opens downwards and \(f(x)\) decreases without bound as \(x\) moves away from \(x = -2\) in either direction; for example \(f(10) = -135\).

So \(f\) has no smallest value.

If the domain were restricted to a closed interval, \(f\) would take a minimum value at one of the endpoints.

(結論は正しいが、述べられた理由は成り立たない。最大点があることだけでは、最小値がないとは言えない。閉区間の上でなら、最大値と最小値の両方をもつこともある。結論を支えているのは \(a = -1 < 0\) であることと、domain(定義域)が実数全体であることである。放物線は上に凸で、\(x\) が \(-2\) からどちらの向きに離れても \(f(x)\) はいくらでも小さくなる。たとえば \(f(10) = -135\) である。したがって最小値は存在しない。定義域が閉区間に制限されていれば、\(f\) は端点のどちらかで最小値をとる、という意味です。)

検算((a) について)。 展開して、もとの式に戻るかを見ます。 \(-(x+5)(x-1) = -(x^{2}+4x-5) = -x^{2}-4x+5\) ✓

検算((c) について)。 式 2 でも出します。 \(a = -1\)、\(b = -4\) なので

\[ x = -\frac{-4}{2(-1)} = -\frac{-4}{-2} = -2 \]

一致しました ✓ 符号が \(2\) か所に出てくるので、ここは慎重に。

もう \(1\) つ、左右対称でも見ます。 \(f(-1) = -1+4+5 = 8\)、\(f(-3) = -9+12+5 = 8\) ✓ 等しく、しかも \(9\) より小さい。上に凸の放物線では、軸上にある点(頂点)がいちばん高いので、\((-2,9)\) が最大点です ✓

ノート解答例(答案用紙に書くこと)

(a) \(-(x^{2}+4x-5)\) \[f(x) = -(x+5)(x-1)\]

(b) \[(-5, \ 0) \quad \text{and} \quad (1, \ 0)\]

(c) \(x = \dfrac{-5+1}{2} = -2\), \(f(-2) = 9\) \[(-2, \ 9)\]

(d) The conclusion is right, but the reason is not: a maximum point does not rule out a minimum. Since \(a < 0\) and the domain is all real numbers, \(f(x)\) decreases without bound, so there is no smallest value. On a closed interval there would be a minimum at an endpoint.

7. Finding the equation from given information(条件から式を求める)

与えられた情報に合う形を選ぶのがポイントです。

表 4: どの形から始めるか
与えられたもの 使う形
頂点と、もう \(1\) 点 vertex form \(a(x-h)^{2}+k\)
\(x\) 切片 \(2\) つと、もう \(1\) 点 factorised form \(a(x-p)(x-q)\)
\(3\) 点 standard form(\(a\)、\(b\)、\(c\) の連立方程式になります。手で解くには重いので、Paper 1 ではあまり問われません)

手順は、どれも同じです。分かっているものを先に入れて、残った \(a\) を「もう \(1\) 点」で決めます。

例題 4 A parabola has vertex \((1, 4)\) and passes through the point \((3, 16)\).

(a) Find its equation in the form \(a(x-h)^{2} + k\).

(b) Write the equation in the form \(ax^{2}+bx+c\).

(c) Write down the coordinates of the \(y\)-intercept.

(d) Explain why the parabola has no \(x\)-intercepts.

(a) 頂点が分かっているので、vertex form から始めます(表 4)。\(h = 1\)、\(k = 4\) です。

\[ f(x) = a(x-1)^{2} + 4 \]

\(a\) を決めるために、通る点 \((3, 16)\) を入れます。

\[ a(3-1)^{2} + 4 = 16 \ \Rightarrow \ 4a = 12 \ \Rightarrow \ a = 3 \]

\[ f(x) = 3(x-1)^{2} + 4 \]

(b) 展開します(表 2)。

\[ 3\bigl(x^{2}-2x+1\bigr) + 4 = 3x^{2} - 6x + 3 + 4 = 3x^{2} - 6x + 7 \]

(c) standard form の定数項です。

\[ (0, \ 7) \]

(d) Explain why なので、英語で理由を書きます。

試験ではこう書く

In the form \(f(x) = 3(x-1)^{2}+4\) the term \((x-1)^{2}\) is never negative, so \(3(x-1)^{2} \ge 0\) and therefore \(f(x) \ge 4\) for every \(x\).

The smallest value taken by \(f\) is \(4\), which is positive, so \(f(x) = 0\) has no solution and the graph never meets the \(x\)-axis.

(\(f(x) = 3(x-1)^{2}+4\) の形で見ると、\((x-1)^{2}\) は負にならないので \(3(x-1)^{2} \ge 0\) であり、すべての \(x\) について \(f(x) \ge 4\) である。\(f\) がとる最小の値は \(4\) で正なので、\(f(x) = 0\) に解はなく、グラフは \(x\) 軸と交わらない、という意味です。)

検算((b) について)。 \(a\) を決めるのに使っていない \(x\) を選んで、\(2\) つの形に入れます。 \(x = 2\) とすると、vertex form では \(3(2-1)^{2}+4 = 3+4 = 7\)、standard form では \(12 - 12 + 7 = 7\) ✓ 一致しました。

\(a\) を決めた点(ここでは \(x = 3\))で比べても、両方の形が同じ値になるのは当てはめた結果なので、検算にはなりません。

検算((c) について)。 vertex form からも出します。 \(f(0) = 3(0-1)^{2}+4 = 3+4 = 7\) ✓ 展開した式を経由しない道すじです。

検算((a) について)。 \(a\) を決めたのは「\((3,16)\) を通る」という条件だけなので、それとは別の点で確かめます。 対称性から、\(x = 3\) と軸 \(x = 1\) について対称な点は \(x = -1\) です。

\[ f(-1) = 3(-1-1)^{2}+4 = 3(4)+4 = 16 \]

\((3,16)\) と同じ値になりました ✓ \(a\) を取りちがえていれば、この値も \(16\) にはなりません。

軸の式で \(x = -\dfrac{-6}{2(3)} = 1\) を確かめても、検算にはなりません。 (b) は (a) を展開したものなので、\(a\) がどんな値でも軸は \(1\) になってしまうからです。

ノート解答例(答案用紙に書くこと)

(a) \(a(3-1)^{2}+4 = 16\), so \(a = 3\) \[f(x) = 3(x-1)^{2} + 4\]

(b) \[f(x) = 3x^{2} - 6x + 7\]

(c) \[(0, \ 7)\]

(d) \((x-1)^{2} \ge 0\), so \(f(x) \ge 4 > 0\) for every \(x\); hence \(f(x) = 0\) has no solution.

TI-Nspire の Graphs 画面に \(2\) 次関数を入れ、menu → Analyze Graph → Minimum(または Maximum)で頂点の座標が読み取れます。Zero で \(x\) 切片も出ます。

Calculator 画面に、Factor(因数分解)や Complete the Square(平方完成)はありません。因数分解も平方完成も、手でやることです。

Paper 1 では使えません。 このページの例題と演習は、すべて手で解ける形にしてあります。平方完成は、手でできるようにしておいてください。

Why it works

なぜ、対称の軸が \(x = -\dfrac{b}{2a}\) なのでしょうか。

standard form を、平方完成して vertex form に直してみます。まず \(a\) をくくり出します。

\[ ax^{2}+bx+c = a\left(x^{2} + \frac{b}{a}x\right) + c \]

かっこの中を平方完成します。\(x\) の係数の半分は \(\dfrac{b}{2a}\) です。展開してみると

\[ \left(x + \frac{b}{2a}\right)^{2} = x^{2} + \frac{b}{a}x + \frac{b^{2}}{4a^{2}} \]

なので、\(\dfrac{b^{2}}{4a^{2}}\) が余分です。引いておきます。

\[ x^{2} + \frac{b}{a}x = \left(x + \frac{b}{2a}\right)^{2} - \frac{b^{2}}{4a^{2}} \]

これを戻します。かっこの外に出すとき、\(\dfrac{b^{2}}{4a^{2}}\) は \(a\) 倍されて \(\dfrac{b^{2}}{4a}\) になります。

\[ ax^{2}+bx+c = a\left(x + \frac{b}{2a}\right)^{2} - \frac{b^{2}}{4a} + c \]

これは vertex form です。 かっこの中を引き算の形に直すと(第 4 節)

\[ x + \frac{b}{2a} = x - \left(-\frac{b}{2a}\right) \]

なので \(h = -\dfrac{b}{2a}\)、\(k = c - \dfrac{b^{2}}{4a}\) です。頂点の \(x\) 座標、つまり対称の軸は \(x = -\dfrac{b}{2a}\) になります。公式の前のマイナスは、ここから来ています。

この計算は \(a \neq 0\) でなければできません。 \(\dfrac{b}{a}\) が書けないからです。公式集の式に \(a \neq 0\) が書かれていなくても、\(2\) 次関数である以上その条件は付いています。

なぜ、\(x\) 切片のまん中も同じ軸になるのでしょうか。 \(a(x-p)(x-q)\) を展開すると

\[ a\bigl(x^{2} - (p+q)x + pq\bigr) = ax^{2} - a(p+q)x + apq \]

なので、\(b = -a(p+q)\) です。式 2 に入れると

\[ -\frac{b}{2a} = -\frac{-a(p+q)}{2a} = \frac{p+q}{2} \]

\(2\) つの言い方が、ぴったり一致しました(式 4)。

なぜ、\(x\) 切片が同じでも放物線が \(1\) つに決まらないのでしょうか。 式 3 の \(a\) を変えても、\(x = p\) と \(x = q\) ではかっこが \(0\) になるので、\(f(x) = 0\) のままだからです。\(a\) は \(x\) 切片の位置を変えず、開き方だけを変えます。

Common errors

警告因数分解した形で、\(a\) を書き忘れる

\(x\) 切片が同じでも、\(a\) がちがえば別の放物線です(第 3 節)。

\(y\) 切片で確かめてください。 \(x = 0\) を入れた値が、もとの式と合っていなければ \(a\) がちがいます。

警告\(-\dfrac{b}{2a}\) の符号を落とす

公式の前にマイナスが付いています(式 2)。\(b\) が負のときは、\(-\dfrac{(-4)}{2a}\) のようにかっこを付けて書くと安全です。

出した軸を \(f\) に入れて、左右の値が等しいかを確かめてください。

警告vertex form の \(h\) の符号を取りちがえる

\(a(x-h)^{2}+k\) です。\((x+6)^{2}-1\) なら \(h = -6\)、頂点は \((-6,-1)\) です(第 4 節)。

引き算の形に直してから読むのが確実です。

警告平方完成で、\(a\) をくくり出さない

\(a \neq 1\) のときは、先に \(x^{2}\) と \(x\) の項から \(a\) をくくり出します(第 5 節)。

くくり出したあとに引いた数も、かっこの外に出すとき \(a\) 倍されます。

警告頂点の \(y\) 座標を出さずに終わる

Find the coordinates of the vertex なら、\(x\) と \(y\) の両方が要ります。軸を求めたら、その \(x\) を \(f\) に入れてください。

Find the axis of symmetry なら、\(x = \ldots\) という直線の式で答えます。

警告\(a = 0\) の場合を考えてしまう

\(2\) 次関数では \(a \neq 0\) です(第 1 節)。\(k\) などの文字が \(a\) の位置にあるときは、\(k \neq 0\) という条件が要ることに注意してください。

Exercises

1 The function \(f\) is defined by \(f(x) = x^{2} - 4x - 5\).

(a) Write down the coordinates of the \(y\)-intercept.

(b) Find the equation of the axis of symmetry.

(a) \[(0, \ -5)\]

(b) \(x = -\dfrac{-4}{2(1)}\) \[x = 2\]

(a) standard form の定数項です(表 1)。

(b) 式 2 に \(a = 1\)、\(b = -4\) を入れます。\(b\) が負なので、かっこを付けて書くと安全です。

検算((b) について)。 左右対称であることを使います。 \(f(1) = 1-4-5 = -8\)、\(f(3) = 9-12-5 = -8\) ✓ 等しくなったので、まん中の \(x = 2\) が軸です。

符号を落として \(x = -2\) としていたら、\(f(-1) = 1+4-5 = 0\)、\(f(-3) = 9+12-5 = 16\) で、左右の値が合いません。

2 Write \(x^{2} + 6x + 2\) in the form \((x-h)^{2} + k\).

\[x^{2}+6x+2 = (x+3)^{2} - 9 + 2\]

\[= (x+3)^{2} - 7\]

\(x\) の係数 \(6\) の半分は \(3\) です。\((x+3)^{2} = x^{2}+6x+9\) なので、\(9\) を引いておきます(第 5 節)。

検算。 展開して、もとの式に戻るかを見ます。 \((x+3)^{2}-7 = x^{2}+6x+9-7 = x^{2}+6x+2\) ✓

頂点でも確かめられます。 \(h = -3\) なので、\(x = -3\) で最小のはずです。もとの式に入れると \(9 - 18 + 2 = -7\) ✓ \(k\) と一致しました。

3 The function \(f\) is defined by \(f(x) = x^{2} - 2x - 15\).

(a) Write \(f(x)\) in the form \((x-p)(x-q)\).

(b) Write down the coordinates of the \(x\)-intercepts.

(a) \[f(x) = (x-5)(x+3)\]

(b) \[(5, \ 0) \quad \text{and} \quad (-3, \ 0)\]

かけて \(-15\)、足して \(-2\) になる \(2\) 数を探します。\(-5\) と \(3\) です。

検算。 展開して、もとの式に戻るかを見ます。 \((x-5)(x+3) = x^{2}+3x-5x-15 = x^{2}-2x-15\) ✓

\(y\) 切片でも見ます。 \(x = 0\) を入れると、因数分解した形では \((-5)(3) = -15\)、もとの式でも \(-15\) ✓

4 The function \(f\) is defined by \(f(x) = 2(x-3)^{2} - 8\).

(a) Write down the coordinates of the vertex.

(b) Write \(f(x)\) in the form \(ax^{2}+bx+c\).

(a) \[(3, \ -8)\]

(b) \(2(x^{2}-6x+9) - 8\) \[f(x) = 2x^{2} - 12x + 10\]

(a) vertex form なので、そのまま読めます(式 5)。\(h = 3\)、\(k = -8\) です。

(b) かっこの中を展開してから、\(2\) 倍します。\(9\) も \(2\) 倍されて \(18\) になり、\(18 - 8 = 10\) です。

検算((b) について)。 まず \(y\) 切片で見ます。 vertex form に \(x = 0\) を入れると \(2(0-3)^{2}-8 = 18-8 = 10\)、展開した式の定数項も \(10\) ✓ 定数項の誤りは、ここでしか見つかりません。 軸の式(式 2)は \(a\) と \(b\) しか使わないので、\(c\) をまちがえても気づけないからです。

もう \(1\) つ、軸でも見ます。 \(a = 2\)、\(b = -12\) なので \(x = -\dfrac{(-12)}{2(2)} = \dfrac{12}{4} = 3\) ✓ (a) の \(h = 3\) と一致しました。これは \(x^{2}\) と \(x\) の項が正しいことの確認です。

5 A parabola has \(x\)-intercepts \((-1, 0)\) and \((5, 0)\), and passes through the point \((0, -10)\). Find its equation in the form \(a(x-p)(x-q)\).

\(f(x) = a(x+1)(x-5)\)

\(a(1)(-5) = -10\), so \(a = 2\)

\[f(x) = 2(x+1)(x-5)\]

\(x\) 切片が分かっているので、factorised form から始めます(表 4)。\(a\) を決めるには、もう \(1\) 点が要ります(第 3 節)。

検算。 \(3\) つの条件を、すべて確かめます。 \(f(-1) = 2(0)(-6) = 0\) ✓ \(f(5) = 2(6)(0) = 0\) ✓ \(f(0) = 2(1)(-5) = -10\) ✓

\(a\) を書き忘れて \((x+1)(x-5)\) としていたら、\(f(0) = -5\) で、\(-10\) と合いません。\(y\) 切片が、\(a\) を見つける手がかりになります。

6 A parabola has vertex \((-2, 1)\) and passes through the point \((0, 9)\). Find its equation in the form \(a(x-h)^{2} + k\).

\(f(x) = a(x+2)^{2} + 1\)

\(a(0+2)^{2} + 1 = 9\), so \(4a = 8\) and \(a = 2\)

\[f(x) = 2(x+2)^{2} + 1\]

頂点が分かっているので、vertex form から始めます(表 4)。\(h = -2\) なので、\((x-(-2))^{2} = (x+2)^{2}\) です。符号に気をつけてください(第 4 節)。

検算。 \(2\) つの条件を確かめます。 \(f(-2) = 2(0)+1 = 1\) ✓(頂点を通る)\(f(0) = 2(4)+1 = 9\) ✓(もう \(1\) 点を通る)

\(h = 2\) としていたら、\(f(0) = 2(4)+1 = 9\) でたまたま合ってしまいます。しかし \(f(2) = 1\) となり、頂点が \((2,1)\) になってしまいます。両方の条件を確かめてください。

7 The function \(f\) is defined by \(f(x) = -2x^{2} + 8x - 3\).

(a) Find the equation of the axis of symmetry.

(b) Find the maximum value of \(f\).

(a) \(x = -\dfrac{8}{2(-2)}\) \[x = 2\]

(b) \(f(2) = -8 + 16 - 3\) \[5\]

(a) 式 2 に \(a = -2\)、\(b = 8\) を入れます。分母が負なので、符号を \(2\) 回まちがえないように。

(b) \(a = -2 < 0\) なので上に凸です。軸の上の点が最大になります(表 3)。the maximum value なので、値だけを答えます。

検算。 左右対称であることを使います。 \(f(1) = -2+8-3 = 3\)、\(f(3) = -18+24-3 = 3\) ✓ 等しく、しかもどちらも \(5\) より小さい ✓ 上に凸の放物線では、軸上にある点(頂点)がいちばん高いので、\(5\) が最大値です ✓

座標 \((2,5)\) と答えていたら、the maximum value に対して点で答えています。値だけで十分です。

8 Explain why the graph of \(f(x) = 3x^{2} + 5\) has no \(x\)-intercepts.

\(x^{2} \ge 0\) for every real \(x\), so \(3x^{2} \ge 0\) and \(f(x) \ge 5\). The smallest value of \(f\) is \(5\), which is positive, so \(f(x) = 0\) has no solution.

Explain why なので、\(f(x) = 0\) とおいて、どこで行き詰まるかを示します。

\(3x^{2} = -5\) となりますが、\(x^{2}\) は負になりません。この \(1\) 行が理由です。

検算。 最小値が実際に出るかを見ます。 \(x = 0\) で \(f(0) = 5\) ✓ また、\(5\) より小さい値、たとえば \(f(x) = 4\) とすると \(3x^{2} = -1\) で、実数の \(x\) はありません ✓

「グラフが上のほうにあるから」だけでは、理由になりません。 なぜ上にあるのかを、式で示してください。

試験ではこう書く

An \(x\)-intercept needs \(f(x) = 0\), that is \(3x^{2} + 5 = 0\), so \(3x^{2} = -5\).

For every real \(x\) we have \(x^{2} \ge 0\), hence \(3x^{2} \ge 0\), and \(3x^{2}\) can never equal \(-5\).

Equivalently, \(f(x) = 3x^{2}+5 \ge 5 > 0\) for every \(x\), so the graph stays above the \(x\)-axis and has no \(x\)-intercepts.

9 The function \(f\) is defined by \(f(x) = (x-7)^{2} + 2\).

(a) Write down the coordinates of the vertex.

(b) State whether the vertex is a maximum point or a minimum point, and give a reason.

(a) \[(7, \ 2)\]

(b) A minimum point, because \(a = 1 > 0\), so the parabola opens upwards.

(a) vertex form なので、そのまま読めます。\(h = 7\)、\(k = 2\) です。

(b) \(a\) は \((x-7)^{2}\) の前の係数で、書かれていないので \(1\) です(表 3)。

検算。 頂点の左右で、値が大きくなるかを見ます。 \(f(6) = 1 + 2 = 3\)、\(f(8) = 1 + 2 = 3\) ✓ どちらも \(2\) より大きいので、\((7,2)\) は最小点です ✓

\((-7, 2)\) と答えていたら、符号を取りちがえています。\(f(-7) = (-14)^{2}+2 = 198\) で、\(2\) にはなりません。

10 A student is asked for the coordinates of the vertex of \(y = (x+3)^{2} - 4\), and writes

\[ (3, \ -4) \]

Identify the error in the student’s answer, and write down the correct coordinates.

The form is \(a(x-h)^{2}+k\), so \(x+3 = x-(-3)\) gives \(h = -3\), not \(3\).

\[(-3, \ -4)\]

Identify the error なので、どこが違うのかを名指ししてから、正しい答えを書きます。

\((x+3)^{2}\) を \((x-(-3))^{2}\) と書き直せば、\(h = -3\) だと見えます(第 4 節)。

検算。 \(2\) つの候補を、それぞれ式に入れます。 \(x = -3\) では \((0)^{2}-4 = -4\) ✓ 頂点の \(y\) 座標と合いました。\(x = 3\) では \((6)^{2}-4 = 32\) で、\(-4\) とはまったくちがいます ✓

左右対称でも見えます。 \(x = -3\) の左右で \(f(-4) = 1-4 = -3\)、\(f(-2) = 1-4 = -3\) と等しくなります ✓

試験ではこう書く

The vertex form is \(a(x-h)^{2}+k\), with a subtraction inside the bracket.

Here \(x+3\) must be read as \(x-(-3)\), so \(h = -3\) and not \(3\).

The student took the number as it appeared.

The correct vertex is \((-3, -4)\), which can be checked by substituting \(x = -3\) to obtain \(y = -4\).